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おひとりさまの終活課題と対策|「望ましい高齢生活を送るための終活8ステップ」ー25

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いよいよ8つの終活ステップで、それぞれの終活課題と対策について、取り上げ、検討してきたシリーズ記事も最終回を迎えました。
ほとんどの高齢者が、いずれ高齢・老齢おひとりさまとなり、おひとりさまとして終活に直面し、取り組むことになる。そういう認識で、最後の記事に取り組みました。

本記事は、現状のおひとりさま生活の多様な状況を理解し、終活の優先課題を整理し、具体的な行動に結びつける上で参考になることを目的としています。
すでに要支援・要介護状態や健康に不安を抱えている方、また健康に自信をもって生活している方も、より今後の不安を軽減し、安心して暮らせるよう、実践的な対策を考えてみたいと思います。

おひとりさまの終活においては、自分の生活状況をできれば客観的に整理・把握することができればと思います。
経済状況や住環境と条件、健康状態、就労状況など、日常と今後の在り方を考え、必要な準備や優先課題を設定してみてはどうでしょうか。

1)経済状況の認識

経済状況は、終活における最大の要因の一つです。資産が豊かであれば、安心感はあるものの、資産管理や相続の悩みや問題が生じます。
反対に、経済的に厳しい場合は、老後の生活費や医療費の確保が大きな問題となります。例えば、生活費の見直しや年金以外の収入源の確保(アルバイト、投資など)の方法を考えることが必要になります。

2)住まいの状況

持ち家に住んでいる場合は、家賃負担がない点は安心ですが、老朽化や維持費用が課題となることがあり、賃貸住宅の場合は家賃負担や契約更新の不安があります。マンションに住んでいる高齢者が、老朽化対応や耐震化対応などで、想定外の改修費負担を強いられて困っている例がTVで紹介されていました。
単身高齢者が賃貸住宅を借りることは、保証人がいない限り非常に難しいことも、最近話題になっています。
将来の住み替えやリフォーム計画を考えている人もいるかもしれません。
いずれにしても現在の住居・居住状況が今後どのようになっていくのか、どうしたいか等、費用が掛かる問題だけに、早期に対応・対策・計画を考え、それらに備えておく必要があります。
当然離れて暮らしている家族にも関係することでしょうから、コミュニケーションを緊密に取る必要がある方も多いでしょう。
中には、資産として家の売却処分を考える場合もあるでしょうから、十分検討する必要があります。

3)介護、医療の必要性と健康状態

健康状態に応じて、終活の備え方は異なります。
元気なうちから介護保険の制度やサービスを理解し、必要なときにスムーズに利用できるように備えておくことが必要です。そのためには、介護保険制度について理解しておくこと、介護施設の種類や介護サービスの内容、費用など事前に情報収集して、自身が介護を受けることになったときに、誰に希望をどのように伝えるか、シミュレーションではないですが、現実的な課題として、憂い・不安のないよう備えておきたいものです。
おひとりさまゆえに、そのための準備は、よりしっかりと、行っておくべきと考えます。
こうした備えの一環として、かかりつけ医を決め、常日頃から健康や診療・医療について相談し、いざという時に対応してもらえるようにしておくことも、重要なこととされています。
加えて、常日頃から健康に気を付け、適度な運動やバランスの取れた食生活を継続することで健康寿命が伸びるよう、心がけ、実践するようにしたいものです。

介護については、以下で述べました。
⇒ 介護のための備えと介護保険の基礎知識|施設選びと費用対策
医療や健康寿命などについては、以下の記事で取り上げています。
⇒ 医療準備と健康寿命対策|老後生活の安心ガイド

4)就労状況

高齢者の就業延長が、労働人口の減少や高齢者自身の経済的状況、年金財政問題、医療費の財政負担増加、などいろいろ取って付けたような理由の多岐多様化で、当たり前のように求められ、現実的に増加を続けています。
ある意味で、高齢になっても働き続けることが、終活課題のうちの一つになってきているかのようです。それが高齢者生活の経済的対策に位置付けられているわけです。
ただ、その働き方は、フルタイム、パートタイム、アルバイトなど就労形態の違いや、働く日数。労働時間、そして職種・仕事内容と人それぞれの事情・状況によって異なります。
おひとりさまならば自由に選べる、というわけではなく、健康状態や適性、過去の経験など、当然制約も多くなるでしょうから、無理のないように、他の日常生活に支障がないように働きたいものです。
できることなら、経済的理由が第一ということではなく、健康のため、人間関係・社会的関係を持ち続けるため、生きがいを持つため、役に立っていると感じたいため、などが理由・きっかけであることが望ましいのではとも思います。
場合によっては、老齢基礎年金を受給上で加入期間が満たしておらず、その期間を満たすために働く人もいると聞きます。

おひとりさまが直面する具体的な終活課題を理解し、それぞれの課題に優先順位をつけることで、計画的な対策を講じることができます。

1)おひとりさまの終活課題

特別に高齢・老齢おひとりさま専用の終活課題と取り組み方があるわけではありません。
ただ、老齢おひとりさまゆえに、今回の第8ステップを除いた7つの終活ステップ=終活課題において、本来家族など他の人に委ねるべき課題であっても、選択肢も限られ、場合によっては、だれも協力してくれる人がいない、誰にも頼めないということになりかねないという問題があるのです。
もう一度、7つのステップ課題を確認しましょう。

第1ステップ:終活の基本の理解と心構え
第2ステップ:エンディングノートの作成と活用法
第3ステップ:老後の生活設計と医療・介護の備え
第4ステップ:生前整理、断捨離と遺言書の作成
第5ステップ:財産と相続の整理
第6ステップ:葬儀と埋葬の準備
第7ステップ:家族とのコミュニケーション
第8ステップ:おひとりさまの終活

第3ステップから第6ステップまでの中の、医療と介護、財産と相続、葬儀と埋葬
エンディングノートを書いてみることや生前整理・断捨離に取り組むことなどは、なんとか一人でこつこつできるでしょうが、他の課題は、やはり誰かに委ねなければいけないこと。
どれも、高齢老齢おひとりさまにとって、悩ましい問題であり、相談相手や依頼相手を簡単に探し、指名あるいは契約するのは、骨の折れることです。

2)おひとりさまの終活の優先順位

それらの難しい課題に優先順位をつけるといっても、やはりおひとりさまそれぞれの事情や状況があり、こうでなければいけない、こうあるべきと決めつけることはできません。
しかし、それぞれの事情に応じて、できることからやる、ではできる事とは何か、という設定の仕方もあります。
但し個人個人の事情を考えると、前項で挙げた、経済的状況、住居の状況、仕事、医者にかかっているかどうかという健康状態、介護を必要としているか、必要となりそうか、などの要素が、優先順を決める要素・要因になるかと思います。
簡単にそれぞれのポイントを、前項の繰り返しになりますが、メモ書きしておきます。
経済的状況
やはり、現状の生活を維持するための生計費に不安がないかという課題への対応から、これからの老後の生活への預貯金などの資金の程度とその備え。これがやはり、当面の高齢おひとりさまの終活最優先課題になるかもしれません。
老後必要資金2,000万円が一時期話題になりましたが、住居、医療・介護等健康状態など、現状の費用とこれから想定し、備えとして蓄積していくべき資金、双方の視点で、もう一つの「就労」「仕事」をどうするかという課題とも関連させて対応していくことになるでしょうか。
場合によっては、生活保護を申請することが適切な方もいるのではと思います。市役所等の社会福祉部署に相談することをお薦めします。周囲にそうした方がよいと思われる高齢者がいましたら、教えてあげて頂きたいと思います。

老後の資金計画|年金・資産運用・相続対策で安心生活を確保

・住居条件
持ち家でおひとりさま生活を送っている方に不安はないでしょうが、借家住まいの方にとっては、家賃負担に加えて、契約更新や、孤立した生活不安などの問題もあります。
また介護を受けなければいけない状態になった場合に備え、介護制度の利用方法を知っておくことに加えて、日常生活を可能な限り自立して送ることができるよう、バリアフリー化するなど居住環境を改善する必要が生じるかもしれません。
シニア向けの住宅や老人介護施設への転居を考える方が今後増える可能性も高いと思います。もちろん経済的なゆとるがあるかどうかに拠りますが。
高齢おひとりさまゆえの終活優先課題の一つといえるでしょうか。
・医療と介護対策
終活以前に、現状の日常生活においては、健康不安があるかどうかが優先課題になっており、その状態で、すべてひとりで対応できているのかどうか。
普段から「かかりつけ医」を決めて、診療を受けている状況を作っておくのが大切です。
入院が必要になったときや介護認定を受けるべき状況になったときに、かかりつけ医の有無が対応上大きく影響するとされています。
こうした必要が現状なく、自立した生活を送っていれば望ましいことですが、それだけに、いざ状況に応じて適切な人に支援をしてもらう必要が生じた場合に備えておくことが終活課題となります。
いざという時になってからでは遅いと認識しての取り組み、備えとして頂きたいと思います。
介護及び医療に関する本シリーズにおける記事は、先述したとおりです。
再確認して頂ければと思います。
・社会的な繋がり対策
種々の終活課題に高齢おひとりさまが取り組む上での、ほぼ共通の懸念は、社会的な繋がりの有無、程度・内容になります。
死を現実のものとして受け入れ、死と死後に必要な課題に備えておくことは、自ずと、誰に何を、いつどう伝え、何を委ねるかを考え、実践することを求められます。
この終活課題には優先も何もなく、絶対必要条件です。
8つのステップの最後におひとりさまの終活を設定したのは、それまでのステップで、ことあるごとに家族との関係や、任意後見人制度について、そして専門家の活用など、社会的な関係作りと理解すべき取り組みを、繰り返し確認してきたという前提があるからでした。
そうした流れゆえ、この前の第7ステップで家族との関係をテーマとしたことで、再確認の繰り返しを行ったことになります。

この項と次の項は、おひとりさまの死と死後の対応について、その備えを、ある意味自己責任で行う必要があるゆえの確認の意味で設定しました。
前回の記事の繰り返しになるため、これまでの記事の紹介に終始してしまいますが、死に伴う葬儀、死後に必要になる諸手続きにはどういう課題があって、どのように備えるか、是非再確認して頂ければと思います

1)葬儀と埋葬と費用対策

葬儀の形式、葬儀社の選択、葬儀費用の手当、お墓をどうするかなど、死んでから誰かに伝えようとしても間に合わず、極端を言えば、長く遺体が保管されたままになったり、無縁墓に埋葬されてしまうというような可能性もなくはないわけです。
エンディングノートを準備していても、どこにあるか、誰かに伝えていなければ、日の目をみることもありません。

2)死後の諸手続き

葬儀をどうするかを先に挙げてしまいましたが、実際には死の看取り、医師の死亡診断書から始まり、死亡届とそれによる埋葬許可証を発行してもらうことが不可欠す。
だれかがやってくれるのですが、その「だれ」は一体「だれ」なのか、決められ、伝えられているでしょうか。
葬儀と埋葬が終われば、相続はどうなるのかどうするのか、年金や健康保険・預貯金口座など死亡に伴って届けるべき事務的処理はだれが行ってくれるか、デジタル終活という厄介な問題はどうなっているか。
死んでしまえば、で済ますことが、周囲にはできないのです。

3)信頼できる家族に、生前に委ねる

おひとりさまであっても、常日頃は離れて生活していても信頼できる家族がいれば、生前に必要事項を伝えておくことが十分可能です。
そのために必要な家族とのコミュニケーションの在り方や内容の伝え方などは、第7ステップのテーマとして振り返りました。
実際の方法や対策として、エンディングノートの活用や遺言書の作成、家族信託の活用等シリーズの中で取り上げてきましたので、以下の記事などを再確認して頂ければと思います。

⇒ エンディングノートの作成方法と記載内容の完全ガイド | スムーズな終活をサポート
  遺言書の作成方法とメリット|老後の安心を支える終活ステップ
  老後の生活設計と充実した活動|趣味・地域活動・任意後見契約の活用


死に伴って対応が必要な課題は、前項でのべたように家族に委ねることができない場合、事前に本人が、適切に、法的な効力を持つ形で、生前に第三者に委ねておかなければ、混乱や迷惑が生じます。

・任意後見契約の活用
その具体的な一つの方法として、任意後見制度による後見契約を締結しておくことを紹介しました。
⇒ 老後の生活設計と充実した活動|趣味・地域活動・任意後見契約の活用

・死後事務委任契約の活用
それ以外に、死後に必要な事務手続きを代行してくれる契約として、死後事務委任契約を活用する方法もあります。
任意後見契約に含んで委託する方法もありますが、死後事務に特定して契約して委ねるわけです。
当然契約に当たっては信頼できる相手を選び、生前、必要に応じに契約内容を見直します。
そのため、弁護士や後見支援サービス機関を利用することで、法的に保証された形で必要な対応が実行可能になります。
契約書は、実際の書面だけでなくデジタル化して、複数の関係者が閲覧できるように手配しておくことも有効です。
・死後のトラブルを回避する
死後の手続きにはリスクとトラブルが伴います。
例えば、委任契約が不十分である場合や、関係者が適切に対応できない場合も絶対ないとはいえません。
これを防ぐためには、念には念を入れて、契約内容の再確認や、代理人の理解度の確認なども重ねて行って理解していることを確認します。また、弁護士や専門家の支援を受けることで、より確実な準備が可能です。

遺言書が不備な場合や、相続人不在のケースではトラブルが生じやすいです。こうしたリスクに備え、遺言執行者の選定や、遺産整理に必要な書類を事前に準備し、情報を渡すタイミングを明確にすることが求められます。

おひとりさまが死後事務を円滑に進めるためには、信頼できる人に計画的に伝達・委任し、適切なサポート体制を構築することが重要です。これにより、自分の意思が尊重され、死後のトラブルが回避されます。

終活における専門家の活用 | 弁護士・税理士・後見人制度で安心の終活準備

いずれにしても、おひとりさまにとって、当シリーズで取り組んできた終活課題について、対応を依頼し、担ってもらう人を予め決め、その人に事前に知らせておくことが絶対に必要です。
家族親族の誰かに担当してもらえる場合はまだ安心ですが、適任者がいない場合には、友人・知人に依頼する、任意後見人を予め選任して届け出た上で依頼するなど、今回確認したように、責任を持った行動が欠かせません。
そうした依頼や約束、契約をそれ以外の特定の人や機関に伝えて、万全を期すことも考え、実行しておくことが望ましいですね。
これは、高齢・老齢おひとりさまの責任と、強すぎることも承知で、最後のもう一度確認しておきたいと思います。

おひとりさま、おひとりさまと繰り返し、執拗に述べて来ましたが、決して自分には関係ないことではありません。
高齢単身者数のこれからの大幅増加は、避けられないことがデータから予測されており、いずれほとんどの高齢者がおひとりさま、単身高齢者となるのですから、当事者として、この最後のステップでおさらいして頂きたかったのです。
当記事が、8つのステップでの最終回の記事になりますが、全体の振り返りと補足とまとめとしての総括を次回行います。


手元に、沢村香苗氏著『老後ひとり難民』という今年2024年7月30日に発刊された書があります。
今回の第8ステップを受けてということではないですが、介護と終活と並んで、当サイトのもう一つの主要テーマが、高齢老齢の「おひとりさま」と位置付けていたことから、同書を参考にしたシリーズ的なものも、来年1月から始める予定です。

※ 前回の記事は、こちらで:おひとりさま生活の基礎と備え:安心して終活に取り組むために
※ 次の記事は、こちらへ:望ましい老後を迎えるための終活8ステップ|総括と補足

前の記事に戻ります。
⇒ おひとりさま生活の基礎と備え:安心して終活に取り組むために

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