必須となったデジタル終活、忘れずに!|「望ましい高齢生活を送るための終活8ステップ」ー13
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第4ステップ 生前整理、断捨離と遺言書の作成:4-2 必須となったデジタル終活、忘れずに!
必須となったデジタル終活|支援のない高齢者にも役立つデジタル終活実践的ガイド
前回記事でも少し触れましたが、デジタル終活が今回のテーマです。
デジタル終活は、現代において避けては通れない重要なステップです。
パソコンやスマートフォン、クラウドに保存された写真や動画、SNSアカウント、オンラインサービス、オンラインバンク情報など、私たちの生活は数多くの簡単には見れないデジタルデータで満たされています。
これらは単なるデータではなく、デジタル遺産として、家族にとっても大切な遺産となり得るものです。
その一方で、残された立場では、処理対応がやっかいなものでもあります。
本記事では、デジタルデータの整理方法、オンラインサービスの解約手続き、そしてデジタル遺品の相続について、具体的かつ実務的な方法を丁寧に解説していきます。
家族が困ることのないように、しっかりと準備をしていきましょう。
1. デジタルデータ・機器の整理・管理と処分
まず、デジタルデータの整理は終活における重要なプロセスです。
日常生活で撮影した写真や動画、仕事で使用した文書ファイル、日々のメモなど、あらゆるデータは簡単に蓄積されます。
そして、これらのデジタル機器に保存されているデータは、個人情報や思い出が詰まった重要な財産でもあります。これらを適切に整理すること、安全に処分することが不可欠で、家族が遺されたデータを理解し、適切に管理するための第一歩です。
1)デジタルデータの整理と保管
最初に、データを分類することが必要です。
デジタルデータには、写真、動画、文書ファイル、パスワードリストなどがあります。
まず、重要なデータと不要なデータを分類し、不要なデータは完全に削除します。
身近なものとして、写真や動画は思い出として重要なものが多いため、適宜バックアップを取っておくことをお勧めします。
重要なデータは、外付けハードディスクやクラウドサービスを活用して、複数箇所にバックアップし、安全に保管してデータの喪失を防ぐことができます。
具体的には、Google DriveやDropboxなどのクラウドサービスが多くの利用者に推奨されています。
ただし、不要な写真や動画も多いでしょうから、こうした折り、あるいは機会を見て、思い切り削除していくことも必要です。
またパスワード管理も重要なポイントです。
パスワードを手書きでメモするのはセキュリティ上危険なため、パスワード管理アプリを利用し、アカウント情報を整理しておくのがよいでしょう。
例えば、「1Password」や「LastPass」などのアプリを使うことで、アカウント情報を安全に一元管理できます。これにより、家族がアクセス情報を取得しやすくなり、後々の手続きが円滑になります。
2)機器の管理と安全な処分方法
使用しなくなったパソコンやスマートフォン等のデジタル機器は、個人情報が残っている場合があるため、慎重に処分する必要があります。
特に、パソコンやスマートフォンに保存されたデータは、削除しただけでは完全に消去されていないことが多いです。そのため、データ消去ソフトを使用することをお勧めします。BlanccoやDBANなどのソフトを使えば、データを確実に消去できます。
機器を廃棄する際には、自治体が提供する家電リサイクルサービスを利用するか、専門業者に依頼するのが安全です。家電リサイクル法に基づき、適切に処理されることで環境への負荷も軽減されます。信頼できるリサイクル業者を選ぶ際には、実績や評価を参考にしましょう。

2. オンラインサービスの契約解消の注意点
SNSやサブスクリプションサービスの契約を放置していると、家族が知らぬ間に費用が発生し続けることがあります。これを避けるためには、事前に契約を確認し、必要に応じて解約しておくことが大切です。
1)主要なオンラインサービスの解約手順
GoogleアカウントやApple ID、Amazonアカウントの解約手順は、公式サイトで細かく説明されており手順を確認し、必要に応じていますが、データのダウンロードや共有設定を行いますが、手続きが複雑な場合もあります。特に、二段階認証を設定している場合は、事前に解除しておくことが必要です。
また、SNSアカウントはプライバシーを守るためにも、削除や非公開設定を行うことが推奨されます。アカウント情報はエンディングノートに記載しておくと、家族がスムーズに手続きを行えます。
2)サブスクリプションの管理と解約
動画配信サービスや音楽アプリなど、月額料金が発生するサブスクリプションも見直しておきましょう。契約内容を確認し、不要なものは解約することで、不要な費用の発生を防げます。
特に、クレジットカードに紐づいた自動更新設定は、特に注意が必要で、漏れがないようしっかりと管理しましょう。
家計簿アプリを使って契約の管理を行うと、解約漏れを防ぐことができます。
3)オンライン銀行・証券口座の対応
オンラインバンクや証券会社のアカウントは、解約手続きが複雑であることがあります。
特に、預金や証券の残高がある場合は、解約手続きに必要な書類を事前に確認しておくことが大切です。
相続人に引き継ぐ場合は、エンディングノートにアクセス情報を記載しておくと安心です。手続きが難しい場合は、銀行や証券会社のカスタマーサポートや専門家に相談することを検討してください。

3.デジタル遺品の整理・相続の方法と対策
デジタル遺品の相続は、手続きが複雑で、法律や技術的な知識が必要となることが多いため、事前の準備が非常に重要です。
1)デジタル遺品とは?
デジタル遺品とは、故人が生前に使用していたSNSアカウント、オンラインストレージ、暗号通貨ウォレットなどのデジタルデータ全般を指します。
これらのデジタル財産は、従来の遺産と異なり、アクセス権限がないと使用できないことが多いため、特別な管理が求められます。特に暗号通貨はアクセス情報がなければ資産として無価値になるため、厳重な管理が必要です。
デジタル遺品には、SNSアカウント、オンラインストレージ、暗号通貨ウォレットなどがあります。
これらは、従来の遺産とは異なり、アクセス権限が必要なため、特別な手続きが求められます。
特に暗号通貨は、適切に管理しないとアクセスが不可能になり、資産が失われるリスクがあります
2)デジタル遺産の相続手続き
デジタル遺品を相続する際には、パスワードやアカウント情報等アクセス情報が欠かせません。
家族が円滑に手続きを進められるように、エンディングノートにこれらの情報を詳細に記載しておくことが推奨されます。また、デジタル遺品に関する法律が不明瞭な場合も多く、法的な問題が発生する場合もあるため、弁護士や遺品整理の専門家に相談することが賢明です。
3)デジタル遺産トラブルの防止策
相続人と事前に話し合い、アクセス権限や管理方法を共有しておくことで、デジタル遺産を巡るトラブルを防ぐことができます。
デジタル遺品の処理方針を遺言書に記載することも、トラブル回避の有効な手段です。弁護士に相談し、法律的に有効な文書を作成しておくことで、家族の負担を減らすことができます。

4.支援がない場合におけるデジタル遺産処理の課題と解決策
高齢配偶者が他に家族を持たない場合や、もともと独り身の高齢者で依頼できる人がいない場合は、デジタル遺産の処理が一層難しくなります。こうした状況でデジタル遺産を適切に管理・処理するための具体的な対策を紹介します。
1)公的サポートと専門サービスの活用
他に家族がいない場合、公的サポートや専門サービスを活用することが重要です。
市区町村によっては高齢者向けの終活相談窓口や、遺産整理に関するサポートが提供されています。
これに加えて、デジタル遺産に特化したサービスを行っている専門企業を利用することで、技術的な問題や手続きの不安を軽減できます。これらの専門サービスでは、デジタル遺品の整理からアカウント解約の代行まで、多岐にわたるサポートを受けることができます。
2)事前の委任契約の活用
家族や友人がいない場合、終活の一環として信頼できる第三者と委任契約を結ぶことも選択肢です。
例えば、信頼のおける弁護士や司法書士と契約を結び、デジタル遺産の管理を生前に依頼しておくことで、死後のスムーズな対応が可能になります。
このような契約では、アカウント情報やデータ管理の手続きを詳細に取り決めておくことが大切です。これにより、死後に適切なアクセス権限を与え、デジタル資産を安全に処理してもらうことができます。
3)デジタル遺言の作成
デジタル遺産に関して、遺言書を作成することは非常に有効です。
遺言書には、各アカウントやデジタル資産の管理方針、アクセス情報の開示に関する意思を明記します。
特に、仮想通貨ウォレットやオンラインストレージに関する具体的な取り扱い方針を記載することで、後に発生し得るトラブルを未然に防げます。デジタル遺言は法的効力を持たせるために、弁護士の助言を受けながら作成することを推奨します。
4)公証役場での証明
遺言や委任契約に加え、公証役場で証明を受けることで、書類の信頼性と法的効力がさらに高まります。
特に、デジタル遺産に関する情報は公証人を通じて正式に登録し、将来的なトラブルを回避することができます。
5)デジタル遺産管理ツールの使用
家族がいない高齢者がデジタル資産を管理する上で役立つのが、デジタル遺産管理ツールの活用です。
これらのツールは、生前にパスワードやアカウント情報を登録し、死後に信頼できる相手に安全に情報を引き継ぐ仕組みを提供します。
代表的なツールには、「デジタルエステートプランナー」や「SafeBeyond」といった、ユーザーの意思を反映して遺された人に情報を伝達する機能を持つサービスがあります。
しかし、この方法を利用するのが可能な高齢者は、むしろ極めて少数派。
なので、1)から4)までのいずれかを選択して備えることと、次の方法は、ほとんどの方に可能と思います。
6)デジタル資産の簡素化と最小化
デジタル遺産の処理を簡単にするためには、生前からデジタル資産の数を最小限に整理することも有効です。
使用していないアカウントやサービスは解約し、不要なデータは削除しておくことで、死後の手続きを簡単にし、第三者が理解しやすい状態を保つことができます。
まとめ
デジタル終活は、現代における終活の重要な要素です。
デジタル遺産の処理は、家族がいる人にとってはもちろんですが、家族がいない高齢者や配偶者にとっては特に大きな課題です。
しかし、デジタルデータや機器、オンライン契約、デジタル遺品の整理をきちんと行ったうえで、公的サポートの活用や委任契約、デジタル遺言の作成などの対策を講じることで、これらの課題に備えることができます。
安心してデジタルライフを含めて老後生活を送るために、早めの準備と専門家の助言を活用して、計画を進めていきましょう。
次回の記事では、遺言書の作成方法について詳しく解説し、法的な視点から終活をサポートする方法をご紹介します。
※ 前回の記事は、こちらで:老後の生活設計と充実した活動|趣味・地域活動・任意後見契約の活用
※ 次の記事は、こちらへ:必須となったデジタル終活|支援のない高齢者にも役立つデジタル終活実践的ガイド

一般的な遺品整理については、以下の記事で扱っています。