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介護離職を防ぐ!ケアプランとデイサービスの賢い活用法と家族の協力体制

「介護離職しないための8ステップ+1と実践法」シリーズ。
今回は、「第7章 家族との介護協力と介護離職防止対策」の第3回です。

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なお、本稿は、一旦閉鎖した当サイトで2024年9月7日に公開した記事を、サイト再開に伴い、本日再掲したものです。
当時の実態と現状では異なる内容が含まれていることがあり得ます。ご了承ください。
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「介護離職しないための8ステップ+1と実践法」シリーズー26

ケアプランとデイサービスは、家族介護を支えるための重要なツールであり、資源です。
これらのサービスを適切に利用し、家族間で役割分担を行うことで、介護負担を軽減し、より良い介護を実践することができます。
本記事では、ケアプランの作成と利用、デイサービスの選び方と活用方法、そして家族間での役割分担のポイントについて考えることにします。

ケアプランは、要介護者の生活を支えるための具体的な計画書です。
ケアマネージャーと連携しながら、家族全員が参加して作成することが望ましいです。
この項では、ケアプランの作成方法と、どのように活用していくべきかを具体的に解説します。

1)ケアプランの作成

ケアプランとは
ケアプランは、要介護者が受ける介護サービスや支援内容をまとめた計画書で、「居宅サービス計画書」と呼ばれ、ケアマネージャーが中心となり、家族と、あるいは介護を受ける人とも相談しながら作成します。
ケアマネージャーとの連携
ケアプランを作成する際、家族は要介護者の状態や希望をケアマネージャーに伝えることが重要です。
たとえば、どのようなリハビリが必要か、日常生活でどのようなサポートが必要かを具体的に伝えます。
実際のケアプラン作成例として、Aさんが一人で行えない日常の動作をリストアップし、具体的な支援計画をケアマネージャーとともに策定することで、週に3回の訪問介護サービスが計画に組み込まれたことが挙げられます。
ケアプランの定期的な見直し
ケアプランは、要介護者の状態や家族の状況・事情に応じて定期的に見直すことが求められます。
原則として、ケアマネージャーの仕事として毎月計画が更新され、介護施設・介護担当責任者、介護される人と家族責任者間でその内容を確認し、署名を行います。
このように介護を担う家族の希望・要望が反映されますし、ケアマネージーから必要に応じて適切な助言や提案も行われ、最適なケアプランを立案し、これに基づいて介護サービスなどが行われます

2)ケアプランの活用

日常のケアに反映
作成したケアプランを、日常のケアにどのように反映させるかがポイントです。
具体的には、ケアプランに記載されたサービスをどのように利用するか、家族間での役割分担も併せて明確にし、実践していくことになります。
外部支援との連携
ケアプランに基づいて提供される訪問介護、デイサービスなどの外部サービスと、家族の役割を連携させ、無理のないケア体制を築くことが大切です。

ケアプランは、家族介護の重要な指針となるものです。
ケアマネージャーと密に連携し、定期的な見直しを行いながら、日常のケアに反映させていくことで、より質の高い介護を維持し、実践することができます。

デイサービスは、要介護者の生活の質を向上させるだけでなく、介護者の負担を軽減するための有効な手段です。
この項では、デイサービスの選び方とその具体的な活用法について解説します。

1)デイサービスの選び方

デイサービスとは
デイサービスは、要介護者が日中を施設で過ごし、リハビリやレクリエーションを受けられるサービスです。
介護者にとっても、日中の負担を軽減する貴重な時間となります。
サービス内容の確認
デイサービスを選ぶ際には、施設が提供するサービス内容をしっかり確認しましょう。
リハビリに特化した施設や、社会的交流を重視したプログラムを提供する施設など、要介護者のニーズに合ったサービスを選ぶことが重要です。
その際、ケアマネージャーに相談し、助言や提案を依頼することができるよう良好な関係を作り、維持することが望ましいです。
デイサービス施設見学と体験利用
実際にデイサービス施設を見学し、施設の雰囲気や内部の設備を知り、可能ならば体験利用を通じてサービス内容や質を確認することも大切なことです。
要介護者が施設に慣れることができそうか、スタッフの対応が親切かどうかなどを確認できればと思います。

2)デイサービスの利用法

定期的な利用のすすめ
デイサービスは、定期的に利用することで、要介護者の生活リズムを整え、心身の安定を図ることができます。
また、介護者にとっても、休息の時間を確保することが可能になり、非常に有効な方法です。
利用スケジュールの調整
家族間でデイサービスの利用スケジュールを調整し、他の介護とバランスを取りながら利用することも必要です。
特に、デイサービスを利用する日と、家族が直接介護を行う日をうまく組み合わせることで、介護者の負担を軽減するとともに、安定した生活を送ることができるようにしたいものです。

デイサービスは、要介護者の生活を支えるだけでなく、介護者の負担軽減も目的とした有効で重要な手段です。
サービス内容をしっかり確認し、家族全員で利用スケジュールを調整しながら、最大限に活用していきましょう。

ケアプランやデイサービスの利用には、家族全員の理解と協力が不可欠です。
この項では、家族間での情報共有と、役割分担の重要性について考えます。

1)家族間での情報共有

ケアプランの共有
ケアプランは、家族全員が理解し、共有することが重要です。
定期的な家族会議を開いたり、LINEのグループ機能を用いて、居宅サービス計画書を画像で確認し、その内容やケアプランの進捗や変更点を確認することをお薦めします。
また、デイサービスのスタッフとの定期的なコミュニケーションも重要で、要介護者の状況やサービスの内容についてフィードバックを受けることで、安心してサービスを利用することができます。
デイサービスの利用報告
デイサービスを利用している場合、その様子や要介護者の状態の報告を受けたり、当人の意見や感想なども聞き取り、家族全員と共通することをお薦めします。
また必要に応じて、改善などの話し合いを行うことができればよいでしょう。

2)関心や理解のばらつきへの対策

啓蒙啓発活動、情報共有活動
家族内でケアプランやデイサービスに対する関心や理解にばらつきがある場合、積極的に情報を提供・共有し、理解を深めるための啓蒙啓発活動を行います。
具体的には、ケアマネージャーによる説明会や、介護に関するセミナーへの参加を促すことなども考えられます。
また、家族内で介護日誌を共有し、各メンバーが日々のケア内容や気づきを記録することで、全員が同じ情報を共有し、協力しやすくなります。
協力体制の強化
家族全員が協力して介護に取り組むためには、それぞれの役割を明確にし、定期的にコミュニケーションを取ることが大切です。

ケアプランとデイサービスは、家族介護を支えるための重要なツールであり、資源です。
これらのサービスを適切に利用し、家族間で役割分担を行うことで、介護負担を軽減し、より良い介護を実践することができます。
家族全員がケアプランやデイサービスについて理解し、協力して取り組むことで、より効果的な介護体制を築くことができます。

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