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100歳義母 看取りと見送りの記録|終活を実践した家族の体験全10話(2022年7月〜10月)

100歳で看取り、見送って一連の必要な終活事項を終えたことに加え、サ高住と特養での7年間に及ぶ施設介護に要した費用の総決算も先述の回想で終えました。

今回は、これまでの総括として、振り返って思い起こされる点と、これからのことを書き添えてみることにします。

まだ残っている、義母死後の課題を整理してみました。
・10月3日に予定の所有権移転登記の完了の確認
・10月15日に実施の故人の納骨供養・入魂式
細かいことでは、
・残高がごく僅かな義母の預金口座の解約廃止手続きなど

しかし、逝去に伴い必要とした主だった課題は終了しています。

終活という括りでは、他に義母が暮らした部屋の身の回りの品々の処理・処分などがありました。
これらは、サ高住と特養での生活中、少しずつ整理してきました。
そのため、看取り前後には、衣類の整理と妹との形見分け的な配分を済ませました。
そして、見送り後には、残るごくわずかの品々の処理を終えています。

他の予定としては、来月15日の納骨供養時の準備があります。
火葬後の骨上げで、喉仏用の小さな骨壷とそれ以外用の大きな骨壷に分けています。
そこで、納骨供養時には、分骨して納めるべく、3寸の小さな骨壷を昨日9月25日にネットで注文しており、今日26日には届きます。
喉仏用の小さな骨壷は家に置いておき、大きな骨壷のお骨は、手配した骨壷用と麻袋用に分け、当日の納骨に備える予定です。

私自身は自分の両親とは離れて生活していたため、看取りや葬送、その他の諸手続きに直接関与した経験はありません。
(明治40年生の父、大正2年生の母、共に92歳で、極度の認知症状態で逝去。)

ということもあり、30年以上同じ屋根の下で暮らした義母。
私たち夫婦が介護施設を手配し、そこで7年間生活した義母。
看取り、見送り、必要な諸手続きや対応を行うのは、経験的にも、世代を引き継いでいくためにも、必要・必然と考えて、種々向かい合い、対応してきました。
それが、ある意味自然な営み、役割と認識。多くを娘である妻に代わって行なってきました。

その取り組みは、私たち夫婦のどちらか先に逝った時の、予行・準備でもあったわけです。お互いによい経験、必要な経験をできたと感じています。
それは同時に、私たちの3人の息子たちに、義母にはどのようにしたかの一部を示してきたもの。
親である私たちがこの世に別れを告げた時に、彼らが何かしら参考にできるのでは、という思いもあります。
こうして世代を引き継いでいく。
これは、家族間の営みという括りにとどまらず、社会的な営みともイメージしています。

そしてこれから、今後の終活のあり方、進め方、取り組み方を整理し、それらの課題を、日常生活の中に少しずつ組み入れ、実行していく。
書き記しておくべきことも、折りを見てではなく、時期・期限と方法を決めて行なっていく。

今回の体験の中では、私たち夫婦も同じお墓に永代供養するための手配を済ませています。この点、彼らの負担がなくなりました。

私は、仕事で過去関係した方々や知人・友人との関係を、ここ数年で区切りを付けてきました。そのため、私の葬儀は、義母同様直葬式でやるよう妻には伝えています。
また、残っている法人の清算をはじめ、必要な物品の整理・断捨離も、何歳までには何をという目標もほぼ立てつつあります。
加えて、相続資産も、生命保険以外にほとんど何もないので、多くは簡単・簡潔に手続き・対応が可能と考えています。

今回の体験を振り返り、思い起こして、こんなことをお伝えしたい、終活として行なっておきたいと思われる点を、かなり重複しますが以下にメモしてみました。

1.葬儀社の会員になり、自分たちが望む葬儀の形式・費用などについて事前に相談しておく。
2.可能ならば無宗教式とし、仏教式に伴う諸儀礼を割愛することで、葬儀費用は節約できる。
3.家族葬や永代供養、樹木葬等、耳にし、目にすることが多いが、必要費用や方法など実際はどうなのかは、事前に葬儀社や寺院などに確認しておきたい。見学会などもリサーチを兼ねて参加を。
4.死亡届から火葬許可取得、火葬日の予約代行、火葬場での応対サービスなどがサービスに組み込まれている葬儀社活用が便利。

5.要介護3以上になった場合、経済的に特養等老人施設への入所が望ましい。
6.家族など介護資源があれば在宅介護が可能だが、家での看取りは、残される家族に種々の負担が生じ、他にも多くの対応が必要なので、特養など施設で看取りを迎えることができるのが望ましい。
(病院での看取りは、できれば避けたい。)

7.死亡後のお骨をどうするか、生前に決めて、家族間で確認しておきたい。葬儀費用など必要費用も、事前にかつ迅速に手配できるよう備えておきたい。
8.社会保険・社会福祉関係の諸届は、市町村役所の市民課の案内に従って行えばよいので、どんな手続が必要か、可能なら確認しておき、それらに必要な保険証類などの保管場所を決めておきたい。

9.老後必要な資金は、老後の生活により大きく異なる。特に入所が必要な介護を選択する場合、特養を除けば、多額の費用負担が必須となる。老々介護状態になれば、預貯金と年金収入で賄っていけるかどうか、現実的な判断と対応が必要になるので、早期からいくつかのシナリオを想定し、それぞれでの資金対策のシミュレーションをしておきたい。
10.相続をどうするか、法定相続を軸にして、死後問題が起きないよう、事前に打ち合わせ等を行い、協議・合意形成しておくことができることが望ましい。そのためにも、不動産等相続に必要な手続きなどの法務局情報などを調べて実際の対応を想定・確認しておきたい。

高齢者夫婦間の老老介護、親子世代とも高齢の老老介護、老老介護後も含めた単身高齢者介護など、これから先、団塊世代以上にとって、現実的な課題への備えを日々行なっていく必要があります。

8050問題ではないですが、私たちが今回体験したのは10070のパターン。
これからは、10070、9070問題が一気に顕在化し、11080問題なども珍しくなくなるかもしれません。

そこでは、介護、医療・健康、葬儀・お墓、相続、身辺の整理等々、家族等との話し合い・意向の伝達等、行なっておくことが望ましい課題が多く存在します。
終活という括りになるのでしょうね。

ですがむしろ老後の望ましい生き方を考え、実践する中に、自然に含んでおくのが、介活であり終活であると思います。
切羽詰まってからのことではなく、次の世代に円滑に引き継いでいくための先行世代の役割として。
心して、探究心ももって、家族と自身の介護と看取り・見送りについて考え、行動できればと思います。


(以上2022年9月26日、記)


ここまで縷々述べてきた過去の体験が、どれほど同様の課題や悩みをお持ちの方々、あるいはこれから直面することになる
方々に役に立つかわかりません。
ですから、体験の回想はほどほどにしておくべきとも思います。

「体験から実践へ」。
これがこれから当サイトを運営する上での、基本方針の軸の一つにすべきと考えています。

義母の介護と終活は「体験」でしたが、これからは私たち夫婦自身の介護と私たち夫婦自身の終活の「実践」。
心身の健康に不安を感じている後期高齢者夫婦の日常における相互ケアの実践。

同年代や80歳代前半の方々の訃報を日常的に見聞きする後期高齢者夫婦。
いつ死を迎えるかわからない日常における終活の一部は、計画的な、一部は必要に迫られての、あるいは突然思い立っての実践編。
それらのメモ、記録も差し挟んでいきたいと思っています。

ここで「介護」とせず「ケア」とした理由。
心身の健康状況では相当の不安と不調を抱えているのですが、現段階では、要支援・要介護認定申請が必要な状況ではなく、お互いに気遣いあう生活状況であるという認識からです。
そして間違いなく、後期高齢者夫婦である私たちが、老々介護を実践するのが日常生活になる。
これを想定内のこととしておくべきと考えています。
私事ですが、そうした事情と実践生活もいずれお伝えすることがあるかもしれません。

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