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100歳義母 看取りと見送りの記録|終活を実践した家族の体験全10話(2022年7月〜10月)

100歳の義母を特養で看取り、特養からの亡骸の葬儀場への移送の手配、特養からの退去の申請など。
この段階での必要手続きを終えたことを前回回想しました。

今回は、これに続いての葬儀場への移送と納棺、仏教式でいう通夜、そして火葬など一連のお見送りについての回想です。
看取りのあと対応した葬儀葬式に関する実体験が主な内容になります。

下の画像の右は、一番初めに相談した折りに、「直葬」で行えばほぼこう出来ると提案してもらったもの。
右が、今時の死亡直後の打ち合わせ内容に則って、最終的に見積書として確認したもの。


上記のセット料金は、私たちが会員となっている葬儀社のものです。
こうした例にあるように、各社競うように、安上がりの葬式セットをアピールしています。
しかし、アピールしているその数字の額だけで済むことは、ほとんどないのではと思います。
その理由を、一部今回の経験も紹介しながら、メモしてみます。

冒頭の折込チラシ画像のうちの1社のチラシには、
・直葬とは、一般的に、通夜や告別式を行わず、火葬のみを執り行う葬儀
・一日葬とは、通夜を行わず、火葬当日に告別式のみを執り行う葬儀
とあります。

しかし、解釈の仕方、考え方、実際のやり方を自由に考えると、通夜や告別式なども、形式よりも実際にどうす
るか、どうしたいかで決めることができると思います。

葬儀場の安置室に移送・配置したその晩は、一般的には、通夜として弔問客を迎えたり、家族がその夜、故人のそばにいる等の形式があるのでしょう。
しかし、私たちはこだわることなく、2人の娘夫婦と姪っ子一人の5人でしばし思い出話をして帰宅。

出棺の日に、告別式の一部に当たる遺体とお花や思い出の衣類等を棺に納める納棺。
当初それは、火葬日当日の朝行う予定でした。しかし、慌ただしいので、前日に済ませ、合理・効率的に対処しました。

葬儀費用がかさんでいくのは、できるだけ安くと思っても、結局、どのような葬儀にしたいか、具体的に希望・要望を提示できないためでしょう。
どうしても「一般的には」と、それが社会の常識であるかのように言われ、示されると、ついついそれらを認めてしまい、費用が膨れ上がってしまう。

例えば、冒頭のチラシの中で、ある一社の生前会員価格189,500円としてある<火葬式>のそのセット費用には、「会館使用料は別途必要」とあります。
割り切ることができれば、直葬式が、仏教式とは無関係に対応できる合理的な方法と思います。しかし、付帯した方、付ける方が一般的と説明されると、ついつい注文することになるのではと思います。

安置から出棺・火葬まで、最短日数を超えることになると、自ずと費用は加算されます。
私たちは、葬儀場のホールは使わず、棺を安置するスペースに、布団を持ちこめば睡眠もとれる、控室的な6畳程度の和室がついた場所のみ利用しました。

ちなみに、オプション扱いになる遺影(写真)は、施設での100歳のお祝い時に撮った写真を利用。必要部分をはがきサイズに引き伸ばし、事前に購入しておいた額に入れて作りました。

現実的には、火葬が行われるまで、遺体をどこに安置するか、どういう状態で安置するかを決める必要があります。
当然このとき、火葬する斎場の予約をいつ取ることができるかが、その決定要件になります。
もう1段階遡ると、医師の死亡診断をいつ発行してもらうことができるか、とも関係しています。

特養に入所していた義母の場合、運良く、施設の主治医が夜の10時までは来所してもらえました。
施設が医師に来所を依頼し、来てもらえたのが看護師による呼吸完全停止時刻からほぼ20分後。死亡時刻は21時44分とされ、死亡診断書を作成してもらえました。

そのため、葬儀場での安置は、最短で一晩で済むことに。
もう一つの問題は、市の斎場に火葬可能な時間が死亡日の翌々日に空いているかどうかです。

ここでも運良く、翌日17日の午前の施設から葬儀場への移送後の打ち合わせで、葬儀社の担当者が調べたところ翌日18日1件のみ、10時からが可能ということで、即ネットで予約。
すぐに担当者が市役所に赴き、死亡診断書を添えて<死亡届>と<火葬許可証>の発行の手続きを代行してくれました。
どちらにしても、1日遅れることで、葬儀場の安置室の利用日数や必要なドライアイスが増え、その分費用も増えたわけで、理想とする最短日数で火葬まで終えることができたわけです。

以下に、契約葬儀社との間で行なった一連の連係ごとや、今回のサービス業務の進み方と内容を簡潔にメモしました。

2018年5月3日:近くに新しく開設された斎場に入会(入会費7,000円支払い)。
 その際説明を受けた<家族葬>が、非常に高額になることを知る。
2022年6月30日:前日予約しておいた事前相談申込みにより、種々質問・相談。
 無宗教であることと少数の身内のみの葬儀希望と伝達。種々詳細の説明を受けた後、<直葬式>が良いのではと提案を受け、これを検討することに。
また、事前に、10万円単位で葬儀費用の一部を前納すれば、オプションの一つをサービス可能と聞き、これも検討。
・2022年7月8日:葬儀施行事前申込により、葬儀費の一部10万円を前納。
 直葬式で行いたい旨伝え、具体的な条件に基づく見積書を受け取り。
・2022年8月16日:義母の逝去を連絡し、翌朝の特養への迎えと葬儀場への移送、葬儀場における以降の打ち合
わせ実施を確認。
・2022年8月17日:葬儀場安置室への移送・安置、当初翌日納棺予定を同日実施。
 岡崎市火葬場(斎場)の空き状況で翌日唯一可能だった10時からの火葬を予約決定と手配依頼。
 葬儀最終費用の確認・請求書発行と、翌日出棺前の残金精算の旨確認。
・2022年8月18日:9時30分斎場から出棺、火葬場へ移送。
 10時火葬に。11時15分骨上げ。
 昼食後、午後帰宅。セットになっていた仏式台にお骨を安置。

今回、入会し会員になっていた葬儀社のサービスを受けて、最もありがたかったこと。
それは、火葬の予約手配、市役所への死亡届と火葬許可証の発行申請という、身内の死亡間もない折りの気の重い、厄介な手続きを、素早く、速やかに、円滑に代行してやってもらえたことです。

こうした事態において、自分で市役所に行き、死亡に関する不慣れな手続きを、しかも待たされながら行うことを想像すると。
他にも不安なこと、やらなければいけないこともあり、できれば避けたいとさえ思ってしまいます。
この代行業務が、基本セット料金に組み込まれているのですから、大助かりでした。

また、以下の定型化された書面もさっと出力してくれました。
この書面は、町内会の総代に、火葬も済ませたあと届けましたが、このコピーが回覧に付されており、役に立ちました。

総じて、当然と言えば当然ですが、一連のサービス業務がシステム化され、連係もよく、満足のいくものでした。
しかし、何よりも事前に相談して、こちらの希望・意向をしっかり伝え、それに沿った対策・内容をほぼ決めておいたことが役立ったと言えます。

家族葬と言えども当初考えていた費用よりも高額を請求された、などの例・話も見聞きします。
事前に不安なこと、分からないことは理解できるまで質問し、詳細を組み入れた見積書を入手しておくことをお
奨めします。
なお、恐らく他社もそうと思いますが、利用した葬儀社では、
・葬儀の相談時には、事前に種々知っておくべき事項や会社の案内などのファイルを、
・葬儀時には、葬儀後に必要な事項などについての相当のボリュームの資料ファイルを
くれました。
基本的には、仏教式を前提とした、故に、一般的・習慣的に行われている葬儀前と葬儀後の必要事項の資料集です。
私のような無宗教の者にとっては必要ないのですが、いろいろ体面など大切にする方々にとっては、非常に役に立つものと思います。


今夏の義母の逝去に当たって、出棺から火葬・骨上げまで、その最期を見送ったのは、私たち夫婦以外では、3人の息子(孫)を代表して名古屋に住む三男のみの3人、二女である妹夫婦と長女(孫)の3人、計6人。
小さなお葬式を、一式240,350円で執り行いました。
 
今回の経験から、私たち夫婦において、私が先に逝った場合は、今回の義母と同様の格安コースで、内々に火葬を済ませてもらうように、妻には伝えてあります。


(以上2022年9月18日、記)

喪主は故人の長女である妻ですが、私も当事者として、義母の看取りから葬儀・葬送など必要な諸手続きを自ら行うことができたことは貴重な経験でした。

ここまでの記事にある一連の手続きや行動は、葬儀社のサポートなしでは非常に煩わしく、円滑に進めることが困難だったと今更ながら思い起こされます。

超高齢社会の進展は、多死社会の継続的な拡大・進展と重なりあうもの。
全国各地に葬儀場が今もなお新たに建設され続けていることの確たる要因であることを示しています。

私たち夫婦もどちらかが先に別れを告げることになるので、義母の看取りから見送りまでの一連の経験は、終活課題の実習・実践というべきものでした。
同居する子どもがおらず、しかも離れた土地で暮らしているため頼りにできないので、本当に貴重な体験になりました。

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