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第6ステップ 葬儀と埋葬の準備:6-2 お墓対策、埋葬準備と供養の選択
お墓対策と供養方法の選び方 | 終活で知っておきたい基礎知識
本記事では、終活の一環としてお墓に関する整理や対策、墓地の選び方、埋葬や供養の方法について解説します。
これにより、みなさんが自分自身や家族のために適切な選択をし、適切な準備を行うことで、遺族の負担を軽減し、個人や家族の希望に合った見送りを実現するためのお手伝いができると考えています。
少しでも将来の不安を軽減できるサポートになればと思います。
1.お墓の整理・処分・対策の必要性と方法
初めに、この項では、現在のお墓の整理や処分の必要性、対策・方法についてまず説明します。
お墓の整理や処分が大きな問題になっている背景には、お墓自体の後継者の問題や少子高齢化があります。
家族の負担を軽減するためにも重要な課題で、お墓の維持管理の問題を回避するためにも不可欠です。お墓を整理する背景と方法についても加えて説明します。
1)お墓の整理の必要性
①後継者問題
前述の事情の中には、お墓がある場所とその維持管理をする人の居住地が離れていることが挙げられます。
お墓を守る人がその地で暮らしていても、少子高齢化で、維持できなくなる事情も普通になってきていることもあります。家族構成の変化が、従来のように代々引き継ぐことを困難にしているわけです。
②無縁墓問題
以上の実情から、後継者がいないために放置されたお墓が増え、無縁墓になる例も増えています。
加えて、単身高齢者の死亡に伴い、自治体などが無縁仏として処理し、無縁墓に埋葬するケースも増えている現状があります。
前者の放置された無縁墓は、荒れ地となる等問題化し、自治体がやむなく撤去せざるを得ないケースも同様です。
こうしたリスクやトラブルを回避するためにも、お墓の整理が求められるわけです。
③家族の負担軽減
お墓の整理を早めに行うこと、行っておくことで、将来的な管理や費用の負担を家族にかけないようにすることができます。
こうした状況が、お墓を整理する必要が生じる背景としてあります。
早めにお墓の整理を行うことで、残される家族の精神的・経済的な負担を軽減し、不安を取り除くことになるわけです。
2)墓じまいの手続きと必要な書類
お墓を撤去するための「墓じまい」について、その具体的な手続きや必要な書類、費用を紹介します。
墓じまいを行う際は、霊園や墓地の管理者に許可を取り、改葬許可証を取得する必要があります。書類は市区町村の役所で手続きが可能で、費用は数十万円から数百万円かかることが一般的です。
①墓じまいとは
「墓じまい」とは、お墓を撤去して遺骨を別の場所に移す手続きのことです。
近年、需要が増えている理由として、都市部への移住者が実家や出身地にある墓地の維持が困難になるケースが増加していることが挙げられます。
②改葬許可証
墓じまいを行うために市区町村役場で取得する書類が「改装許可証」です。遺骨を移す先の情報も必要になります。
③費用の内訳
墓じまいに必要な費用は、以下が基本です。
・撤去費用:お墓の取り壊しにかかる費用です。
・遺骨の移動費用:新しい墓地や納骨堂への移動にかかる費用です。
・申請手数料:「改装許可証」発行など、役所での手続きに必要な費用。
④必要な書類:死亡診断書のコピー、既存の墓地の証明書、改葬許可証の申請書などの書類を入手する必要があります。
墓じまいは自由に勝手に行うことができるわけではなく、上記のような事前準備と手続きが必要ですが、計画的に行うことでスムーズな移転が可能になります。
3)お墓の移転とそのメリット・デメリット
お墓を別の場所へ移転することの利点メリットと欠点デメリットを、家族や個人の事情に合わせて説明します。
お墓の移転は、家族が頻繁にお墓参りできる場所に変更するための選択肢です。
①墓じまいのメリット
・アクセスの向上:近い場所へ移すことでお墓参りに行きやすくなります。
・維持管理のしやすさ:お墓の維持管理が容易になり、家族が参加しやすくなります。
②墓じまいのデメリット
・高額な費用:移転には墓じまいと新しい墓地購入の両方の費用がかかります。
・手続きの複雑さ:複数の書類と手続きが必要で、計画的な取り組みが求められます。
・移転に伴う注意点:移転先の墓地規定や、宗教的・地域的な制約も考慮する必要があります。
他にも、個々人によってメリット、デメリットがあるでしょう。移転を検討する際は、以上のメリットとデメリットをよく考慮し、家族と相談することが重要です。
墓じまいについては、墓じまいに必要な一連の業務や手続きを請負う、「離壇代行」サービスを提供している【わたしたちの墓じまい】を紹介する記事があります。
以下で、チェックして頂ければと思います。
※ 全国対応!お寺とのトラブル・離檀のことならお任せください【わたしたちの墓じまい】
4)近年の新しいお墓の形
従来の伝統的なお墓以外に、納骨堂や樹木葬といった新しい供養方法が増えています。
墓じまいを促進する要素・要因の一つにもなっているわけであり、逆に、墓じまいニーズに応えるものとして、こうしたサービス事業が生まれ、成長しているともいえます。
これらは、維持費が比較的安く、環境にも優しいとされ、現代のライフスタイルに合った選択肢として注目されています。
①納骨堂:建物内に個別の収納スペースが設けられており、天候に左右されず参拝できるのが特徴です。
②樹木葬:自然に還る形で遺骨を埋葬し、墓石の代わりに木や花を目印とする方法。環境に優しく、費用も比較的安価です
③永代供養墓:墓地の管理者が供養を永続的に行うため、後継者がいない場合でも安心して選べます。
実は、私も、義母のお墓の対策として検討した結果、私たち夫婦も死後一緒に入れるよう、永代供養墓を設けました。その事情は、こちらの記事で確認頂けます。
⇒ 永代供養墓の契約は私たち夫婦の終活を兼ねて
100歳逝去義母の101歳誕生日10月15日、永代供養墓・開眼供養入魂式営む
※ 大切な方を亡くされた方に寄り添う樹木葬【アンカレッジの樹木葬】
2.お墓と墓地の選び方
この項では、適切なお墓や墓地を選ぶためのポイントを理解し、自分や家族のニーズに合った選択をするための基礎知識を確認します。
1)墓地の種類と選び方の基準
墓地には、公営墓地、民間墓地、宗教法人墓地があります。
ここでは、それぞれの違いとメリット・デメリットを簡単に説明します。
宗教法人墓地は、特定の宗派に属する必要がある場合もあります。
①公営墓地
公営墓地は市区町村が運営し、費用が比較的安価であることが多いですね。そのため人気が高く、抽選による選定が一般的です。
②民間墓地
民間企業や宗教法人が運営し、自由度が高い一方で費用が高くなることがあります。設備や立地が良いことが多く、近年は納骨堂式が人気を集めています。
③宗教法人墓地
特定の宗教や宗派の人向けの墓地であり、宗教的な儀式が求められることが従来一般的でした。
しかし、最近では、寺院が運営管理しても、宗教・宗派にこだわらず、無宗教でも可能と、条件が取り払われる傾向が出てきています。
先述の私たちの永代供養墓も、無宗教でも可、ということで購入しました。
それぞれの特性を理解し、自分の価値観や家族の希望に合った選択をしましょう。
2)墓地を選ぶ際の注意点
立地条件やアクセスの利便性、周囲の環境など、墓地を選ぶ際に確認すべき重要ポイントを挙げます。
・立地とアクセスの利便性:頻繁にお墓参りをする家族にとって行きやすいか、近くにあるかは重要な要素です。都市部か郊外か、公共交通機関や駐車場の有無も確認しましょう。
・周囲の環境:静かな環境や景観も選定のポイントです。緑が多く、清潔に保たれていることなど選択する要素にもなります。
・お墓・墓地の管理体制:墓地の管理者の存在や、定期的なメンテナンスの実施状況なども調べ、安心して委ねることができるかも、大切な要素です。
3)墓地使用料と維持費
墓地選びにおいて重要な費用面について、使用料と管理費の違い、予算設定のポイントを解説します。
墓地選びでは費用面も当然ですが重要な要素です。
通常の使用料の他に、年間の管理費も考慮する必要があり、契約前に見積もりを確認し、自身や残される家族にとって無理のない負担に収まるよう計画を立てましょう。
①使用料:初期費用として支払う金額。規模や立地によって異なります。
②管理費:年間にかかる維持費。一般的に数千円から数万円です。
③追加費用:墓石の設置や、特別な装飾を希望する場合の費用も考慮が必要です。
4)契約時の重要事項
墓地契約時は、使用規約やキャンセルポリシーを確認することが重要です。
突然の事情変更で使用しなくなる場合を考慮し、トラブルの発生を防ぐとともに、柔軟な対応が可能な契約を選ぶようにしましょう。以下、契約時のポイントをメモしました。
・使用規約:墓地の利用条件や契約期間を確認しましょう。永久使用か期限付きかも重要な要素です。
・キャンセルポリシー:契約後の変更や解約時の対応について事前に把握しておきましょう。
・保証内容:維持費に含まれるサービスや、追加で必要になる可能性のある費用も確認します。
事前にこうした情報を収集し、家族とも話し合うことで適切なお墓や墓地を選びたいものです。
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3.埋葬・供養の方法と対策
多様な埋葬・供養方法を理解し、家族や自分の希望に最適な方法を選べるよう、詳細な情報を提供します。
この項では、埋葬や供養に関する様々な方法を紹介し、その選択肢や注意点について説明します。
自身や家族の希望に沿った方法を見つけることができるよう、参考にして頂ければと思います。
1)埋葬方法の選択肢
土葬、火葬、海洋散骨など、現代には多様な埋葬方法があります。それぞれの特徴について説明します。
まとめ:各方法の特徴を理解し、希望に合った方法を選びましょう。
①火葬:日本で最も一般的な方法であり、法律に従い行われます。衛生的で合理的とされています。
②土葬:一部地域や特定の宗教において選ばれる方法ですが、環境面の規制があるため、極めて少ない例になっています。
③海洋散骨:遺骨を海に散布する方法です。自然に還るという意義で選ぶ人が増えていますが、手続きと環境への配慮が必要です。
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2)供養の種類と特徴
永代供養や合葬墓など、近年増えている供養の方法について解説します。個別供養と共同供養の違いについても触れます。
①永代供養:管理者が継続的に供養を行い、家族の負担を軽減します。遺族や後継者がいない場合でも供養を続けてもらえるので安心です。
②合葬墓:複数の遺骨が一つの場所に埋葬される形式で、費用を抑えつつ個別供養を確保することもできます。
負担が軽減されるとともに、安心感も確保できます。
③個別供養:個別のスペースで供養する方法で、よりプライベートな雰囲気が保たれます。
供養方法の違いを理解して、自分や家族に合った選択をしたいものです。
3)埋葬・供養の手続きと流れ
埋葬や供養には、行政手続きや届け出が必要です。その際の必要手続きや、具体的な流れを説明します。
①火葬許可証の取得:役所で必要書類を取得し、火葬を行うための許可証を受け取ります。
②埋葬許可証の申請:火葬後、埋葬を行う際に必要な証明書を役所で発行してもらいます。
③供養の申請:永代供養や納骨堂利用の際は、施設管理者に申請を行い契約を結びます。
これらの手続きを事前に知っておき、必要な折りには迅速に、正しく対応したいと思います。
4)供養を選ぶ際の家族への配慮
供養方法を決める際には、家族の意向も重要です。家族と話し合い、全員が納得できる形で供養方法を選ぶ上でのポイントを簡単にメモしました。
①意向の確認:供養の選択は個人の希望だけでなく、家族の意向も大切です。
②家族会議:供養の方法を決定する前に、家族全員が意見を共有し、理解を深める場を設けましょう。
③宗教的背景:家族に異なる宗教観を持つ人がいる場合は、配慮が必要です。
家族と話し合いを持ち、全員が心から納得できる選択をすることが大切です。供養方法は多様化しています。自身や家族の意向に沿った選択をすることが、心の安らぎに繋がります。
まとめ
お墓や埋葬、供養の選択は重要な終活の一部です。
適切な知識を持って準備を進めることで、自身にとっても、家族にとっても安心できる対応が可能です。
本記事を参考に、適切な選択肢を検討し、自分や家族の希望を大切にした終活を行って頂きたいと思います。
前回記事に戻ります。
⇒ 葬儀準備と手続きガイド | スムーズな葬儀のための重要ポイント
【シリーズ「望ましい高齢者生活を送るための終活8ステップ」構成】
序 「望ましい高齢者生活を送るための終活8ステップ」シリーズ、始めます
第1ステップ 終活の基本の理解と心構え
1-1 終活の基本と目的
1.終活とは何か?基本概念と目的、必要性
2.終活を始めるタイミングと適切な年齢
3.老後の生活設計と終活準備の重要性
1-2 具体的な終活の進め方
1.終活の8ステップ:計画から実施までの具体的ガイド
2.終活の優先順位:重要な項目の把握と管理
3.終活の手順:具体的な方法と必要なリスト
1-3 終活を成功させるための心構え
1.終活のメリット・デメリットと保険・信託等のリスク管理
2.生活の充実とリスク回避対策
3.終活に伴う不安やトラブル回避の具体策
第2ステップ エンディングノート・終活ノートの作成方法と活用法
2-1 エンディングノートの作成法
1.エンディングノートとは?
2.記載すべき項目・内容と書き方、作成法
3.ノート作成を進めるための実践的なアプローチ
2-2 エンディングノート作成のための基本情報の収集と活用法
1.終活及びエンディングノート作成のための基本情報と収集法
2.エンディングノートの活用・保管方法と家族への共有
2-3 終活における専門家の活用
1.法律関係の専門家の役割と活用
2.後見人制度の活用と具体的な進め方
3.終活コンサルタント、終活アドバイザー等の活用法
第3ステップ 老後の生活設計と医療・介護の備え
3-1 老後の生活を安心化する資金計画
1.老後の資金計画ー1:年金の活用法|年金受給の仕組みと配偶者死亡時の遺族年金
2.老後の資金計画ー2:就労収入と保有資産の把握・運用、生命保険の活用
3.老後の資金計画ー3:資産運用の方法とリスク管理
4.老後の資金計画ー4:相続税対策と非課税贈与のメリット相続税対策と非課税投資のメリット
3-2 必ず必要になる介護の備え
1.介護保険制度と介護サービスの基礎知識
2.介護施設の種類と選び方
3.介護にかかる費用と資金計画
4.リスク管理と介護に備えた資金計画
3-3 医療の備えと健康寿命対策
1.老後の医療保険制度とその活用法
2.入院準備と医療費負担の対策
3.在宅医療と介護サービスの連携
4.延命治療と臓器移植についての意思表示
5.健康記録、認知症対策と健康寿命を延ばす日常生活
3-4 老後の生活設計と日常活動
1.老後の生活費用と必要な準備項目
2.老後を充実させる趣味や活動
3.成年後見制度と任意後見契約の活用法
4.老後の生活設計とエンディングノートへの記入
第4ステップ 生前整理、断捨離と遺言書の作成
4-1 生前整理と断捨離の実践
1.生前整理の意義とタイミング
2.断捨離の具体的な実践方法
3.財産・不動産・負債整理と諸契約の注意点
4-2 必須となったデジタル終活
1.デジタルデータ・機器の整理・管理と処分
2.オンラインサービスの契約解消の注意点
3.デジタル遺品の整理・相続の方法と対策
4.支援がない場合におけるデジタル遺産処理の課題と解決策
4-3 遺言書を理解し、有効に作成・活用する
1.エンディングノートとの違いと遺言書のメリット
2.遺言書の種類と作成手順
3.遺言執行者の選定とその役割
4.遺言書の保管方法と見直しのポイント
第5ステップ 財産と相続の整理
5-1 財産管理の基本知識
1.財産の整理と管理方法:資産運用と不動産管理
2.生前贈与と資産信託の方法
3.資産贈与・寄付と税制優遇のメリット
5-2 相続対策の基本
1.相続の基本:相続人と相続税の仕組み
2.相続税対策と非課税のポイント
3.専門家による相続アドバイスの活用法
5-3 遺言書と遺産相続の準備
1.遺言書の種類と作成方法
2.遺産相続の流れと必要な手続き
3.遺言執行や相続トラブル対策
5-4 トラブル回避と老後の安心
1.トラブルとリスク回避の対策
2.委任契約や後見人制度の活用
3.財産契約と信託の法的効力とリスク管理
第6ステップ 葬儀と埋葬の準備
6-1 葬儀の準備
1.葬儀の基本知識と種類・形式
2.葬儀社の選び方と契約・手続きのポイント
3.葬儀前後の手続きと対応方法
6-2 お墓対策、埋葬準備と供養の選択
1.お墓の整理・処分・対策の必要性と方法
2.お墓と墓地の選び方
3.埋葬・供養の方法と対策
6-3 遺品整理と死後の対応
1.死後の準備と手続き
2.遺品整理のステップと方法
3.家族・遺族の負担軽減と準備・手配
第7ステップ 家族とのコミュニケーション
7-1 家族のための終活準備
1.家族と一緒に進める終活の方法
2.遺言書やエンディングノートの共有
3.家族への負担を軽減する終活のポイント
7-2 老後のライフプランと家族の役割
1.家族信託と遺産相続の対策
2.老後のライフプランと家族の役割
3.希望する介護・医療・葬儀の準備
第8ステップ おひとりさまの終活
8-1 おひとりさま生活の備え
1.おひとりさま生活のための準備と日常管理
2.身辺整理と断捨離の具体的な方法
3.ネットワーク構築、任意後見契約と信頼できる第三者の選び方
8-2 おひとりさまの終活課題と対策
1.おひとりさまの終活課題と優先順位
2.葬儀とお金の準備
3.死後事務手続きの方法とリスク管理
総括 シリーズ「望ましい老後を送るための8つの終活ステップ」補足とまとめ
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