
エンディングノート作成のための基本情報の収集と活用法|「望ましい高齢生活を送るための終活8ステップ」ー6
第2ステップ エンディングノートの作成方法と活用法 :2ー2エンディングノート作成のための基本情報の収集と活用法
今回は、前回を受けて、第2ステップの2回目、主に、エンディングノートの作成について整理してみます。
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エンディングノート作成に必要な情報の収集と共有方法 | 家族と安心の終活
エンディングノートを効果的に作成するためには、各項目に必要な情報を計画的に収集し、それをどのように活用するかが重要です。
本記事では、エンディングノートの具体的な項目ごとに必要な情報の内容と収集方法を詳しく解説します。また、ノートを家族にどのように共有・保管するべきかについても具体的に説明します。
1.終活及びエンディングノート作成のための基本情報と収集法
1)基本情報と緊急連絡先の収集
<内容と例>
・氏名、生年月日、住所、家族構成を記載します。
・健康保険証番号や運転免許証番号なども整理します。
・緊急時に連絡すべき親族や医療機関、保険会社の連絡先も記録します。
<情報の収集方法>
・健康保険証や住民票から正確な情報を取得します。
・家族や友人に確認して緊急連絡先を一覧にします。
・金融機関や保険会社の最新情報は窓口で確認します。
2)医療・介護に関する情報の収集
<内容と例>
・延命治療の意向や臓器提供の意思を明確にします。
・希望する医療施設や介護施設の候補をリストにします。
・介護保険の利用方針も記載します。
<情報の収集方法>
・かかりつけ医との相談で医療方針を確認します。
・介護施設を見学し、パンフレットを集めます。
・臓器提供カードや「事前指示書」を用意します。
3)財産・資産の管理と相続に関する情報の収集
<内容と例>
・預貯金や不動産、証券、保険の契約情報を整理します。
・負債やローンの状況も把握します。
・遺言書の内容や相続の方針を決めます。
<情報の収集方法>
・銀行の通帳や証券会社の書類を整理します。
・不動産の登記簿謄本を取得します。
・税理士や弁護士の助言を受け、相続計画を立てます。
4)葬儀と供養に関する情報の収集
<内容と例>
・希望する葬儀形式や参列者の範囲を決めます。
・お墓や永代供養の方法を調べます。
・葬儀社や僧侶との事前打ち合わせも行います。
<情報の収集方法>
・葬儀社から見積もりを取り、プランを比較します。
・寺院や霊園に問い合わせて供養方法を決めます。
・家族と相談し、希望をまとめます。
5)個人メッセージや家族への伝言の作成
<内容と例>
・家族への感謝の言葉を記載します。
・思い出の品に関する説明を付け加えます。
・家族に向けた励ましやアドバイスを伝えます。
<情報の収集方法>
・日記や写真を参考に思い出を整理します。
・家族との会話の中で伝えたいことを確認します。
・メモとして残し、後でエンディングノートにまとめます。
エンディングノートを最大限に活かすためには、各項目に必要な情報を計画的に収集し、正確に整理することが重要です。情報の収集には医療機関や金融機関との連携や、信頼できる専門家の助言が必要な場合もあったり、調査に時間がかかることもあります。
自分に適していると思われるノートを使って、コツコツ情報の収集整理と記録を進めていきましょう。

2.エンディングノートの活用・保管方法と家族への共有
エンディングノートは、作成しているときは、自身の安心感を保つことに繋がりますが、基本目的は、活用するためのものです。
必要に応じて、そのつど活用する場合や、最期を看取ってもらってから残された遺族や後見人により活用されるわけで、活用方法や活用場面に加え、その保管方法や保管場所にも配慮が必要です。
1)エンディングノートの保管方法
ノートは安全な場所に保管し、必要な時にすぐ取り出せるように準備します。
自宅の防火・防水金庫に保管することで、火災や水害からの保護が可能です。
また、デジタルノートとしてクラウドに保存する方法も有効です。
クラウドに保存する場合、アクセス権限を適切に管理し、信頼できる家族や関係者に閲覧権限を与えておくと良いでしょう。
2)エンディングノートの活用方法
エンディングノートの活用は、単なる情報の記録に留まらず、家族や関係者との対話のきっかけになります。
以下の場面で活用が想定できます。
・医療・介護の現場での意思確認
エンディングノートに記された医療方針や介護の希望は、緊急時に医療機関や介護施設で迅速な対応を支援します。
例えば、延命治療を希望しない意思が記載されていれば、医師や家族がその意向に沿って判断することが可能になります。
・相続と財産分割の指針として
相続に関する希望が明記されていれば、遺産分割協議がスムーズに進みます。
正式な遺言書とは異なりますが、エンディングノートは家族間の合意形成の補助として活用されます。
・葬儀や供養の計画に役立つ
葬儀の形式や希望する供養の方法をノートに記載しておくことで、家族が迷うことなく準備を進められます。
葬儀社との事前相談にも活用し、具体的なプランを決めておくと良いでしょう。
・家族とのコミュニケーションを促進
ノートを活用して家族と対話を行うことで、相互理解が深まり、将来のトラブル防止に繋がります。
定期的な家族会議を通じて、ノートの内容を見直すことが推奨されます。
・最期の前後の種々の対応を円滑に
本人の最期に際し、葬儀・供養・お墓、相続・事務手続き等、多くのエンディング処理を速やかに行うことになります。その際に最もこのエンディングノートが役立ちます。
エンディングノートは、一度書けばそれが保存版ということではありません。
一度ですべてを書き終えるわけではありませんし、少しずつ書き足していくことが多く、また一度書いた内容を変更することも十分あります。
都度内容を確認したり、書き漏らしていることがないか見直したりすることも活用法に加えておきます。
3)家族や第三者との共有方法
エンディングノートは、作成するだけでなく、実際に家族と共有することが重要です。
ノートの存在と保管場所を家族や、場合によっては第三者に伝え、必要な時にすぐ取り出せるようにします。
家族会議を開くことでノートの存在と内容を説明することで、家族全員が本人の意向を把握し、スムーズな対応が可能になります。
専門家(弁護士や終活コンサルタントなど)に相談し、アドバイスを受けることで、家族の負担を軽減することも重要です。
まとめ
エンディングノートは、情報を整理するだけでなく、計画的に、あるいは必要な時に活用することで、その効果を最大限に発揮します。
医療や介護、財産管理、葬儀の形式など、具体的な内容を明記することで、家族が本人の意向を理解し、スムーズに対応できるようになりますし、家族間のトラブルを未然に防ぐためにも役に立つでしょう。
また、ノートの存在を家族と共有することは、家族の負担を減らし、将来への安心感を高めるために不可欠です。
特にオンラインノートやアプリの活用は、最新情報の管理を効率化し、家族とのコミュニケーションを促進する手段として有効になると思われますが、その詳細・具体性については、よく調べた上で、機会を改めてと考えています。
なお、当然、エンディングノートに、記述しておくことを推奨されるほとんどはについては、このシリーズの8ステップで設定しているものです。
それぞれのステップで理解頂ければと思いますが、エンディングノートに組み入れられている詳細項目・内容は、私が持っているエンディングノートを利用して、別の機会に紹介したいと考えています。
次回の記事のテーマは、終活における専門家の活用についてです。
弁護士や税理士、司法書士といった法律関連の専門家の役割、任意後見人制度の利用、そして終活コンサルタントやアドバイザーの活用まで、具体的な活用法を含めて整理します。

※ 前回の記事は、こちらで:エンディングノートの作成方法と記載内容の完全ガイド | スムーズな終活をサポート
※ 次の記事は、こちらへ:終活における専門家の活用 | 弁護士・税理士・後見人制度で安心の終活準備
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