以上の第1ステップの最終回を受けて、次のステップに入ります。
第2ステップ エンディングノートの作成方法と活用法 :2-1 エンディングノートの作成法
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エンディングノートの作成方法と記載内容の完全ガイド | スムーズな終活をサポート
エンディングノートは、医療、介護、相続、葬儀などの希望を明確に記録し、家族に意思を伝えるための重要なツールです。
本記事では、エンディングノートの目的と価値、作成すべき具体的な内容について詳細に解説し、ノート作成をスムーズに進めるためのポイントを提示します。
これにより、多くの終活に関心を持つ方々が、計画的かつ安心して終活に取り組めるようになればと思います。
1.エンディングノートとは?
エンディングノートは、法的効力を持つ遺言書とは異なり、柔軟に自分の意向や希望を記載できる記録です。
但し、エンディングノートという名称に限定する必要はなく、終活ノートと表現している例もありますし、場合によっては、一人ひとり自分の想う、考える名前をつけたノートにするのが良いとしている例も見受けられます。
一応、このシリーズでは、エンディングノート、または単にノートと呼ぶことにします。
ノートは、自分の最期やその後に関する希望を整理し、家族や関係者に安心感を与える役割を果たします。
特に医療や介護、相続、葬儀といった人生の重要な場面において、事前に意向を示すことで、家族が負担なく対応できることが期待されます。
2.記載すべき項目・内容と書き方、作成法
1)基本情報の記載方法と活用
<内容と例>
・氏名、生年月日、住所、連絡先、家族構成を記載します。
・保険証や運転免許証、パスポートの番号も含めます。
・緊急時の連絡先(かかりつけ医、親族、保険会社)も整理します。
・家族及び親族情報、大切な友人・知人情報なども含めておくことも有効です。
これらの情報は、緊急時や医療手続きで即時に必要となるため、必ず記載しましょう。
最新の情報を定期的あるいは必要を生じたときに見直し、更新することも必要です。
2)医療・介護に関する希望の具体化と健康状態
<内容と例>
・延命治療の希望(具体的な可否)を記載します。
・臓器提供の意思表明をします。
・希望する医療施設や介護施設、訪問介護の利用についても記載します。
これ以外に、基本的な健康状況、罹患状況・通院状況、服薬状況など、健康に関する記録もあると、いざという時に有効です。
これらの情報を記録することで、家族が医療判断に迷うことなく、本人の意向に沿った対応が可能になります。また、事前に家族と話し合い、共有することが望ましいです。
3)財産・資産・保険の管理と相続に関する情報の記載
<内容と例>
・預貯金、不動産、株式、保険のリストを作成します。
・借入金や負債の詳細も整理します。
・遺産分割の希望や遺言書の有無を明記します。
財産情報を整理し、明確に記録することで、家族間での相続トラブルを回避できます。必要に応じて、税理士や弁護士と相談し、相続計画を立てることが推奨されます。
4)葬儀・供養に関する希望の明確化
<内容と例>
・葬儀の形式(無宗教葬、仏式、神式など)を記載します。
・希望する参列者の範囲や服装の指定も書き添えます。
・供養の方法(永代供養、散骨など)についても記載します。
葬儀の形式や供養の方法を記載することで、家族が準備に困らず、本人の希望に沿った式を行うことができます。葬儀社との事前相談も有効です。
5)メッセージや家族への伝言の作成法
<内容と例>
・家族や友人への感謝の言葉を記します。
・過去の思い出や写真に関する説明も記載します。
・家族に向けたアドバイスや励ましの言葉も書き添えます。
メッセージを残すことで、遺された家族が精神的な支えを得られます。また、家族間の絆を深めるきっかけにもなります。
3.ノート作成を進めるための実践的なアプローチ
1)ノート作成の進め方
エンディングノートの作成は、一度にすべてを終える必要はありません。
数回に分けて段階的に進め、時間をかけて内容を充実させます。
と言いましたが、そんなに計画的かつ段階的にという具合にはなかなかいかない方が多いかもしれません。
でもできるだけ、計画的に、段階的に、と思います。
<具体的な進め方>
・簡単なメモから始め、徐々に詳細を加えます。
・家族との対話を通じて、共有したい内容を整理します。
・定期的に、あるいは必要に応じてノートを見直し、更新します。
2)ノートの形式と選び方
エンディングノート終活関連業者が登録を条件に無料で提供してくれることが多いです。
そうではなく、市販のノートを使用することや、インターネット上のテンプレートやアプリを利用することも可能です。
<ノートの種類と特徴>
・終活関連事業者作成エンディングノート:葬儀や終活サービスなどを営む事業者が、資料請求時や会員登録時に無償で提供してくれます。
・市販のエンディングノート:簡便で初心者向けです。
・オンラインテンプレート:必要な項目をカスタマイズ可能です。
・エンディングノートアプリ:クラウド上で保管し、常に最新情報を管理します。
3)市販エンディングノート、推奨3選
市販のエンディングノートですが、Amazonで入手できる3つの異なるタイプのベストセラーを3選を以下に紹介します。
①『一番わかりやすい エンディングノート』(2019/10/23刊、\1,078)
3,000人の終活セミナー受講者の声をもとに作られた、初めてでもスラスラ書ける 「一番わかりやすい」エンディングノート。
順番に書き込むだけで終活が完成し、「もしも」のときに安心。
<本書のポイント>
・開きやすく、書き込みやすいノートの仕様
・終活の流れに沿って構成されているから、迷わず書ける
・暗証番号など、重要情報を保護する「マル秘カード」と「スクラッチシール」付き!
・40年ぶりの法改正にも対応
②『コクヨ エンディングノート もしもの時に役立つノート B5 LES-E101』
事務用品メーカーのコクヨが作った、まさにノート屋さんのエンディングノートです。
弁護士.comが協力して作成されています。
③『弁護士が教える自分と家族の生前整理ノート 元気なうちに書き、悔いなく生き切るための新エンディングノート 』(2023/1/13刊、\1,485)
昨年1月発行された弁護士編纂の比較的新しいエンディングノート。
累計16万部の人気シリーズ元気なうちから始める!大切な人のための「生前整理ノート」
というキャッチで、以下の推奨文が示されています。
「生前の整理&死後の手続きに役立つ全く新しいタイプのエンディングノートで、自分に関するさまざまなことを元気なうちに書き込める。
具体的には、預貯金・株式・保険・不動産・貴金属・借入金などの資産内容、金融機関の口座番号と暗証番号、不動産権利書や遺言書など重要書類の保管場所、サブスク契約、パソコンやスマホのパスワード、延命治療・葬儀・お墓の希望など、あらゆる情報を書き込むことができる。
相続人と相続割合がわかる「書き込み家系図」、思い出の整理に役立つ「日本と世界の書き込みマップ」、認知症や寝たきりになったときに備える「入院・介護時の備え書き込み帳」、これからの人生を悔いなく生き切るための「やり残したこと実践計画」など、従来のエンディングノートにはない新しい内容を盛り込んでいる。
生前整理ノートがあれば、これまでの人生でやり残したことも実行でき、悔いなく生き切ることにつながるでしょう。」
【目次】は次のとおりです。
part1 私の基本情報&家族・親族
part2 私の全資産
part3 私の健康・医療情報―もしものときのために
part4 生前贈与・相続について
part5 お葬式・お墓について
part6 私の友人・知人&ペット
part7 私の歩いてきた道
まとめ
エンディングノートは、単なる記録ではなく、老後の安心と家族との信頼を築くための重要なツールです。
医療や介護、財産管理、葬儀の希望まで、自分の意思を明確に記すことで、家族の負担を減らし、トラブルを未然に防ぐ効果が期待されます。また、個人的なメッセージを通して家族との絆を深めることも可能です。
作成には計画性が求められ、一度に完成させる必要はありません。
定期的に、あるいは必要に応じ見直し、家族との対話を通じて内容を更新していくことが、エンディングノートの有効性を高めるポイントです。
次回の記事では、ノート作成のために必要な情報の収集方法と、具体的な活用法について詳しく解説します。ノートを有効に活用するための実践的なアプローチをご紹介します。
【シリーズ「望ましい高齢者生活を送るための終活8ステップ」構成】
序 「望ましい高齢者生活を送るための終活8ステップ」シリーズ、始めます
第1ステップ 終活の基本の理解と心構え
1-1 終活の基本と目的
1.終活とは何か?基本概念と目的、必要性
2.終活を始めるタイミングと適切な年齢
3.老後の生活設計と終活準備の重要性
1-2 具体的な終活の進め方
1.終活の8ステップ:計画から実施までの具体的ガイド
2.終活の優先順位:重要な項目の把握と管理
3.終活の手順:具体的な方法と必要なリスト
1-3 終活を成功させるための心構え
1.終活のメリット・デメリットと保険・信託等のリスク管理
2.生活の充実とリスク回避対策
3.終活に伴う不安やトラブル回避の具体策
第2ステップ エンディングノート・終活ノートの作成方法と活用法
2-1 エンディングノートの作成法
1.エンディングノートとは?
2.記載すべき項目・内容と書き方、作成法
3.ノート作成を進めるための実践的なアプローチ
2-2 エンディングノート作成のための基本情報の収集と活用法
1.終活及びエンディングノート作成のための基本情報と収集法
2.エンディングノートの活用・保管方法と家族への共有
2-3 終活のおける専門家の活用
1.法律関連専門家の活用:弁護士・税理士・司法書士の役割と連携の必要性
2.任意後見人制度や監修の重要性と契約内容
3.終活コンサルタント、終活アドバイザー等、専門家の活用法
第3ステップ 老後の生活設計と医療・介護の備え
3-1 老後の生活を安心化する資金計画
1.老後の資金計画:年金と生命保険の活用
2.資産運用の方法とリスク管理
3.相続税対策と非課税投資のメリット
3-2 介護の準備
1.介護保険制度と基礎知識
2.介護施設とサービスの選び方
3.介護にかかる費用と資金計画
3-3 医療の準備
1.老後の医療保険制度の基本
2.入院準備・手続きと医療費負担対策
3.介護と医療の関係と準備方法
3-4 老後の生活設計と活動
1.老後の生活費用と必要な準備項目
2.老後を充実させる趣味や活動
3.任意後見契約の活用法
第4ステップ 生前整理、断捨離と遺言書の作成
4-1 身辺整理・生前整理と断捨離の実践
1.身の回り整理のタイミングとリスト
2.生前整理・遺品整理と断捨離の進め方
3.財産・不動産・負債整理と諸契約の注意点
4-2 デジタル終活
1.デジタルデータ・機器の整理・管理と処分
2.オンラインサービスの契約解消の注意点
3.デジタル遺品の整理・相続の方法と対策
4-3 遺言書の作成
1.エンディングノートとの違いと遺言書のメリット
2.遺言書の種類と作成の流れ、具体的な方法
第5ステップ 財産と相続の整理
5-1 財産管理の基本知識
1.財産の整理と管理方法:資産運用と不動産管理
2.生前贈与と資産信託の方法
3.資産贈与・寄付と税制優遇のメリット
5-2 相続対策の基本
1.相続の基本:相続人と相続税の仕組み
2.相続税対策と非課税のポイント
3.専門家による相続アドバイスの活用法
5-3 遺言書と遺産相続の準備
1.遺言書の種類と作成方法
2.遺産相続の流れと必要な手続き
3.遺言執行や相続トラブル対策
5-4 トラブル回避と老後の安心
1.トラブルとリスク回避の対策
2.委任契約や後見人制度の活用
3.財産契約と信託の法的効力とリスク管理
第6ステップ 葬儀と埋葬の準備
6-1 葬儀の準備
1.葬儀の基本知識と種類・形式
2.葬儀社の選び方と契約・手続きのポイント
3.葬儀前後の手続きと対応方法
6-2 お墓対策、埋葬準備と供養の選択
1.お墓の整理・処分・対策の必要性と方法
2.お墓と墓地の選び方
3.埋葬・供養の方法と対策
6-3 遺品整理と死後の対応
1.死後の準備と手続き
2.遺品整理のステップと方法
3.家族・遺族の負担軽減と準備・手配
第7ステップ 家族とのコミュニケーション
7-1 家族のための終活準備
1.家族と一緒に進める終活の方法
2.遺言書やエンディングノートの共有
3.家族への負担を軽減する終活のポイント
7-2 老後のライフプランと家族の役割
1.家族信託と遺産相続の対策
2.老後のライフプランと家族の役割
3.希望する介護・医療・葬儀の準備
第8ステップ おひとりさまの終活
8-1 おひとりさま生活の備え
1.おひとりさま生活のための準備と日常管理
2.身辺整理と断捨離の具体的な方法
3.ネットワーク構築、任意後見契約と信頼できる第三者の選び方
8-2 おひとりさまの終活課題と対策
1.おひとりさまの終活課題と優先順位
2.葬儀とお金の準備
3.死後事務手続きの方法とリスク管理
総括 シリーズ「望ましい老後を送るための8つの終活ステップ」補足とまとめ
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