
介護離職後の再就職活動 – 成功に向けたアプローチと実践的アドバイス:「介護離職しないための8ステップ+1と実践法」ー32
「介護離職しないための8ステップ+1と実践法」シリーズを、最後に添付している構成に従って進めてきています。前回と今回の2回、「第9章 万一の介護離職後の再就職・転職とキャリア構築」がテーマです。
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第9章 万一の介護離職後の再就職・転職とキャリア構築|9-2:介護離職後の再就職活動
介護離職後に再就職を目指す際、どのような職種を選び、どのように成功に導くかが重要です。
この記事では、再就職の選択肢と成功に向けた具体的なアプローチを提案し、再就職活動に直面する課題とその対処法を紹介します。
1.介護離職経験を活かした職種選択と再就職活動
介護離職の経験をどう活かすかは、再就職の成功に直結します。
ここでは、介護経験を活かせる職種やキャリアチェンジの可能性について考えます。
1)介護業界内での再就職
介護業界内での再就職は、これまでの介護経験を活かしつつ、やりがいのある仕事に就ける選択肢です。
例えば、介護福祉士やケアマネージャーとして働くことで、利用者やその家族に対する直接的な支援を行うことができ、その分やりがいも大きいです。しかし、その職に就くには国家試験を受験し合格する必要があります。
またこれらの職種に就く際には、業界全体の賃金レベルが厳しい現実も考慮する必要があります。
介護業界は、人手不足と低賃金が課題であり、再就職後の収入が期待よりも低くなる可能性が高いのではないかと思います。そのため、賃金だけでなく、職場環境や福利厚生、キャリアアップの機会を慎重に検討することも必要です。
2)教育・研修担当としての再就職
教育・研修担当としての再就職もまた、介護業界で得た経験を活かすことができます。
例えば、介護職員の育成や研修に携わる仕事は、現場の課題を理解しているからこそできる重要な役割です。
この職種では、直接的な介護業務よりも管理や指導の側面が強いため、身体的な負担が少ない反面、高度な知識と経験が求められます。また、現場をサポートする立場から、業界全体の質の向上に貢献できるという意義があります。
過去の介護離職以前のキャリアに、教育研修担当経験がある場合や、接客・接遇などの経験があれば、そしてそれに自身の介護・介助体験を加えて自らアピールすることで、転職のチャンスを得ることが可能になると思います。
このような職種での再就職を考える場合、自分が積み重ねてきた経験をどのように教育・研修業務に反映できるかをアピールすることが重要です。
3)介護業界外でのキャリアチェンジ
介護業界外へのキャリアチェンジを考える際には、自分の強みを見極め、それを新たな職場でどう活かすかを検討する必要があります。
介護で培ったコミュニケーション能力や問題解決能力は、他業種・異業種でも高く評価されるスキルです。
例えば、カスタマーサポートや営業職、さらには福祉関連の事務職などが考えられます。
これらの職種では、介護現場で得た「人を思いやる力」や「柔軟な対応力」が非常に役立ちます。転職活動においては、これらのスキルをどのように新しい職種で活かせるかを具体的に示すことが、転職成功へのカギとなります。
4)フリーランスや在宅勤務の選択肢
フリーランスや在宅勤務といった働き方は、自分のペースで働くことができるため、家族や自分のライフスタイルに合わせやすい選択肢です。
特に、介護経験を活かしたコンサルティングやアドバイザー業務、あるいはオンラインでの講師業などは、これまでの知識と経験を直接的に活かすことができます。
ただし、フリーランスとしての働き方には、自己管理能力やマーケティングスキルが求められるため、自分がそれに適しているかどうかを冷静に判断する必要があります。
初めてフリーランスとして活動する場合は、まずは副業から始めてみることも一つの方法です。
介護経験をどのように活かすかを考え、それに基づいた職種選択を行うことが再就職の鍵となります。

2.再就職活動で直面する課題と対処法
再就職活動では、さまざまな課題に直面することが考えられます。それにどう対処するかを考察します。
1)収入維持の難しさ
介護離職後の再就職で収入を維持することは、特に賃金の低い業界に再就職する場合において、非常に難しいことです。
特に、介護業界内での再就職を目指す場合は、離職前と同じ収入を得るのは困難です。
そのため、まずは現実的な収入目標を設定し、それに基づいた生活設計を再考する必要があります。
収入の減少を補うためには、生活費を見直したり、扶養家族の経済的支援を考慮することも必要です。
また、パートタイムやフリーランスなど、柔軟な働き方を選択することで、家計のバランスを保つ方法を検討しましょう。
2)キャリアブランクの克服
長期間の介護離職によるキャリアブランクは、再就職時に大きな障害となることがあります。
しかし、このブランクをポジティブに捉え、どのように活用するかが重要です。
面接でブランクを説明する際には、介護中に得た新たなスキルや視点を強調し、離職期間中も成長し続けていたことをアピールできればと思います。例えば、介護中にオンラインで学習した内容や、資格取得の努力を具体的に伝えることで、採用担当者に前向きな印象を与えることができます。
スキルアップのためのオンラインコースやセミナーに参加することも、ブランクを埋める有効な方法です。
3)復職条件の確認
・元の職場への復職の可能性
元の職場に復職できるかどうかは、再就職を考える際に最初に確認すべきポイントです。
しかし、順序からいえば、離職前に、元の職場に復職できるかどうかを確認し、可能という約束を得ることができていることが前提になります。
万一その可能性について、在籍した企業等とコミュニケーションを持たなかった場合、復帰・再就職の目途が立った時点で、復職できるかどうかを問い合わせしてみるのも選択肢としてあるかもしれません。離職時に得難い人材でありながら離職を余儀なくされた実情を相互に確認している場合や、あるいは、その時点で、元の職場で経験のある人材を求めている可能性もあるかもしれず、問い合わせしてみる方法もありうると思います。
復職が可能な場合、可能であれば交渉し、柔軟な働き方や時短勤務の導入を提案してみること等も含め、条件や手続きについてしっかりと確認しましょう。
特に、職場の環境が変わっている場合や、業務内容が以前と異なる可能性もあるため、復職後の期待や要件を明確にしておくことが大切です。
・復職が難しい場合の対応
復職が難しい場合や不可能な場合には、新たなキャリアを築くための準備や、再スタートに向けた行動計画を早めに立て、先述したように新しいキャリアを築くための柔軟なアプローチを開始しましょう。
3.再就職・転職活動の実践
再就職活動を成功させるためには、具体的な行動に移すことが重要です。ここでは、再就職活動を実践するための具体的な方法を紹介します。
1)ハローワークや求人広告の活用
・ハローワークの活用
ハローワークは、日本全国に展開している公共の職業紹介機関で、再就職活動において非常に有益な情報源です。
ハローワークでは、再就職支援プログラムや職業訓練、キャリアカウンセリングなど、さまざまなサポートが受けられます。特に、地元の求人情報や地域密着型の職業訓練を利用することで、地元での再就職活動を効果的に進めることができます。
・求人広告の活用
また、新聞や地域のフリーペーパーに掲載される求人広告も、地元での求人を探す際に有効です。
求人広告には、地域に根ざした企業や小規模な事業者の求人が多く掲載されているため、自分に合った求人を見つける手段として有効活用しましょう。
2)転職サイト・転職紹介サービス、転職エージェントの活用
・転職サイト・転職紹介サービスの活用
インターネット上の転職サイトや転職紹介サービスは、全国規模で求人情報を収集できる強力なツールです。これらのサービスに登録することで、自分の希望する条件に合った求人情報を受け取ることができます。
・転職エージェントの活用
また、転職エージェントを活用することで、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策などの個別サポートが受けられます。
特に、介護離職者向けの求人を扱っているエージェントを利用することで、再就職におけるミスマッチを避けることができます。登録後は、定期的にサイトをチェックし、自分に合った求人がないかを確認することが重要です。
<推奨転職求人サイトおよび転職紹介サービス>
以下に、介護離職者に適した転職求人サイトおよび転職紹介サービス企業を挙げました。
これらのサイトは、再就職活動において役立つ情報やサポートを提供しています。
・リクナビNEXT https://next.rikunabi.com/
・doda https://doda.jp/
・マイナビ転職 https://tenshoku.mynavi.jp/
・エン転職 https://employment.en-japan.com/

3)気になる企業等へのアプローチ
再就職活動では、気になる企業や業界に積極的にアプローチすることも重要です。
特に、求人が出ていない企業でも、興味を持った企業に直接アプローチすることで、隠れた求人や今後の採用計画についての情報を得ることができます。
企業へのアプローチでは、自分のスキルや経験がどのように企業に貢献できるかを明確に伝えることが重要です。直接メールや電話でコンタクトを取り、自己紹介や関心のあるポジションについて説明することで、企業側に強い印象を残すことができます。
また、企業の採用イベントや業界セミナーに参加し、人脈を広げることも有効な方法です。
4)起業・独立の選択
介護離職後、起業や独立を選択肢として検討することも一つの方法です。
特に、これまでの介護経験を活かして、介護関連のビジネスを立ち上げることも考えられます。
例えば、介護用品の販売やレンタル、介護サービスの提供、さらには介護に関するコンサルティング業務などが挙げられます。
もちろん、介護離職以前のキャリアや経験、関心があったビジネスなども起業化のテーマに据えることも可能ですね。
起業にはリスクも伴いますが、自分のペースで事業を展開できるというメリットがあります。
起業を考える際には、ビジネスプランの策定や市場調査、資金調達の方法についても慎重に検討することが重要です。成功の鍵は、しっかりとした準備と、自分の強みを最大限に活かすことにあります。
再就職活動の実践は、計画的な行動と積極的なアプローチが求められます。さまざまな手段を駆使して、自分に最適な再就職先や適職を見つけましょう。

まとめ
介護離職後の再就職活動は、人生の再スタートを切る重要なプロセスです。
介護経験を活かし、現実的な目標を持ち、計画的に行動することで、次のキャリアを成功に導くことができます。
さまざまな選択肢と手段を活用し、最適な再就職先や適職を見つけ、新しい人生のステージに向けて前向きに取り組んでください。

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