義母、特養で100歳の誕生日を祝って頂く|人生100年時代を体現した義母


私たち夫婦にとって、100歳までは生きてほしいというのが、介護施設で生活する義母への最大の願いでした。
当然、ある程度の健康の度合いや意識・認知認識も可能な度合いの上でのことです。
前回報告の99歳の折りのコロナ禍時の外来診療時は、既に食も細くなり、水分もあまり取らなくなってきていました。
寝たきりに近い状態での、知らぬ間の骨折を見てもらうための外来受診外出・再診外出で、私をしっかり認識できていたかどうか・・・。
ただ、特養のスタッフの方々のおかげで、ここまでこれていたことは間違いなく、義母を祝って頂けたことは、しっかり私たちの記憶に残っています。

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2014年3月下旬に、93歳で、要介護1でサ高住に入所。
5年後の2019年5月1日に、98歳で、要支援4になったことで新規に開設した特養に運良く転所。
以後、1年と5ヶ月半後の今日2021年10月15日、義母が100歳の誕生日を迎えた。
施設の方々にお祝いして頂くとともに、コロナ禍で通常の面会禁止が続く中、家族の施設内での面会の手配をして頂き、長女である妻と次女であるその妹(義妹)と共に元気な顔を見てきた。

サ高住に入所する要因となったのが、2013年12月の左脚大腿骨骨折。
このときは手術し、リハビリを経て、施設へ。
現在の特養への転所のきっかけになったのが、やはり2018年12月の左脚大腿骨骨折。
今回は、年齢も年齢で手術には命の危険が伴うことと、本人が「もう手術は嫌」ということで、骨折部分が盛り上がった状態のままでの保存療法を選択し、自立不能で要介護4の認定で特養入所条件をクリア。
幸い、新規開設予定施設の入所申込みに間に合い、昨年開業と同時にサ高住から特養に転所となった。
他に申し込んだ特養では、かなりの待機が必要と言われており、本当に奇跡に近い運の良さであった。

今日を迎える、ちょうど1ヶ月前、施設の看護師さんから、「呼吸が浅くなり、無呼吸状態になることがあり不安。急になにか起こりうることもありうる」旨の連絡があり、妻が、「何とか100歳の誕生日は迎えてほしい」とその日以降、電話がなるたびにビクついていた。
しかし一過性のものだったか、それ以降は、元気に過ごしていたようで、無事に、元気に今日を迎えることができた。

今年の老人の日9月15日での100歳以上の高齢者数は、昨年比6060人増で過去最多の8万6510人。
内、女性は7万6450人で88.4%を占める一方、男性は1万60人で、今年初めて1万人を超えた。
人口10万人当たりの100歳以上の高齢者数は68.54人でこちらも最多。
今期2021年度中に100歳を迎える人(予定含む)は1921(大正10)~22年に生まれた4万3633人。
2年連続で4万人を超え、過去最多となった。
義母は、大正10年10月15日生まれ。
人生100年時代というようになったが、現実に家族に100年生きてきた人を見ているわけです。
それにしても、女性と男性の数の違いはすごい、の一言。

団塊の世代の最後の学年に当たる私が生きていれば100歳を迎えるのが2050年3月。
2050年には、果たして100歳以上は何人になっているか?
単純に毎年4万人増えるとして、100万人以上110万人には到達していることになるでしょうか。
恐らく2040年くらいからは、介護施設に少しはゆとりが出ているだろうが、団塊世代の介護ニーズはどうなっているか。
そして私自身、どうなっているか。

現在入所している特養を運営管理する社会福祉法人は、特養の新規開設に積極的で、今義母が入っている施設からさほど遠くないところに、来年5月地域密着型の特養を同一敷地内に2施設開業する予定です。
地域一番施設で、この特養グループ(社会福祉法人)のシェアはナンバーワン。
その施設長の今日の話では、新設施設開業予定を「地域の皆さんは喜んでくださる」と。
しかし、「入所の問い合わせや申込みは、一時期ほどのような切羽詰まった状況からは変化してきているようだ」とのことでした。
しかし、団塊世代の特養ニーズが高まるのは、あと10年後くらいから一気に、と想像しています。
その中に自分が入らないよう、日々健康に注意を。

100歳になった義母。
面会時にいつも食事が一緒のテーブルという女性お二人が付きそう感じで。
施設長は見学です、と言っていたが、二人に年齢を尋ねると、一人は「分からん!」、一人は「22歳!」という応え。
義母も普通には自分の年齢は分からなくなって久しく、今日も100歳と言われて、分かったような分からないような。
妻の一応の希望の100歳は、傍で見ると楽々乗り越えた感じ。
コロナで定期的に果物を届けるだけで面会できない状況は、来年には変わっているかと。
今の施設内では最高齢とのことで、その記録は当分更新し続けるに違いないでしょう。
なにせ、歯は入れ歯ではなく、全部自分の歯。
車椅子は自分で操作して動いているので。


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特養入所時に98歳だった義母。
骨折と保存治療で要介護4認定となり、自分から歩くことができず完全な車いす生活に。
しかし、100歳までは充分生きることができると、ほぼ確信していました。
99歳で特養生活中に知らぬうちに骨折しており、再度の保存治療を選択せざるを得なかったのですが、これに伴って、心身の衰弱は増していくだろうということも想像できました。
人生100年時代とはいうもののの、そのとおり実践できる高齢者は一握り。
実際どうかと思い、昨年2023年には100歳以上が何人になっているか調べてみると、以下の記事がありました。
⇒ 100歳以上高齢者9.2万人、女性が9割 : 53年連続の増加 | nippon.com
この記事を見て頂きたいと思いますが、昨年9月のデータでは、9万2139人いるとのことです。
(女性が9割)
2年間で約6千人弱増えていますが、今年ですべての団塊の世代が後期高齢者入りしており、今後も増加の一途を
たどることは間違いないでしょう。
介護士不足については、現実は厳しい状況が続いているはずですが、最近はあまり大きく取り上げられなくなって
いる気がします。
また特養の状況については、地方によっては空きが出ているという話を聞くことがあります。
バラツキがあるにせよ、高齢化社会はいよいよ人生100年時代の当たり前化と共に、まっしぐらにピークに向かっ
ていきます。
介護問題も同時進行で、拡大と深刻化が進みます。
義母と同じように、私たち夫婦のどちらかが100歳まで生きることができれば・・・。
果たしてこれからの介護生活準備活動=介活をどのように進めていくか。
義母の高齢者生活・施設介護生活を振り返りつつ、その備えを考える機会が増えてきています。

なお、以下のグラフは、上述の記事から引用転載させて頂いたものです。

※前回の記事に戻ります:特養入所の99歳義母、月末救急外来、月初予約なし再診外来へ
※次の記事はこちらです:100歳の義母、介護タクシーで整形外科外来受診|進む老衰、看取りの時期が迫る日々


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