特養入所の99歳義母、月末救急外来、月初予約なし再診外来へ

介護体験

入所型介護施設は、ある意味行き届いた介護サービスを受けられるのではと思うのですが、実は、サ高住も
特養も、入居利用者が外来診療を受けざるを得なくなった場合、入所の保証人になった家族などがその送迎
をしなければなりません。
このケースで対応できない場合は、恐らく入所そのものを認めてもらえない、入所できないでしょう。
義母の約7年間に及ぶサ高住・特養生活で、10回以上は外来診療のため、(1度だけ自家用車利用でしたが)
介護タクシーを利用して、送り迎えをしました。
今回は、100歳まで数か月に迫った特養での生活での外来受診を回想します。

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2021年の初月も最後の日の日曜日31日、朝食中に、義母が入所している特養の看護師さんから電話。
99歳なので、いつ何時でも、もしかしたら、という連絡が入ってもおかしくないのですが、ちょうど昨日、コロナで面会禁止が続くこともあり、施設から、近況報告として、昨年のクリスマスと今年元旦のスナップ写真を送って頂いたばかりだったので、「?」と。
話は、今朝から、特養入所の引き金になった大腿骨骨折とは異なる部位、膝下、スネの辺りに青いアザができて腫れていて、痛い痛い、と訴えている。
骨折の疑いがあるので、救急外来に連れて行き、診察を受けてほしい、と。
ケガの状況を想像すると、私の車に乗せたり降ろしたりしてよいものかと不安に思えたのだが。
看護師さんも、かなり不安というか、動揺している感じの電話口。
そして、医師の紹介状なしで受診すると、5,500円かかるので、特養付きの主治医に電話して急ぎ書いてもらえるか調べ、電話をかけ直すと。
私としては、介護タクシーを利用すべきと考えつつ、連絡待ち。
程なく再度の電話があり、紹介状を書いてもらえることと、先の大腿骨折時に手術を受けた救急外来病院に連絡。
また、スタッフと相談したところ介護タクシーを利用した方が良いと言うことになり、調べて、来てもらえるところがあったので、何時に来てもらえるか、と。
時間を決めて、特養に。
そして程なく来た介護タクシーで救急外来病院へ。
日曜日なので、さほど混んではいないが、待たされることが当たり前。
最初に診てもらい、私もその場所と腫れ具合を確認。
即、レントゲン。
撮影後の待ち時間が長かった。
そして、以前のサ高住入所時にも何度か利用経験があるここは、冬は、出入り口が外に面していて、結構寒い。
結果、骨折の疑いがり断定できないが、一応応急処置として、ズボンの上から板状のもので固定して包帯をしてもらい、明日の予約外外来で整形外科医に診てもらってください、と。
画像では、確かに、骨に一箇所突起している部分があり、ここが痛みを引き起こしているんだろうな、という感じ。

まあ、99歳なのだが、自走式の車椅子を利用しており、マイカーのごとく自分で動かして移動しようとする。
「どこへ行くの?」と尋ねると、「部屋に行く」と。
どこにいるのか分からないせいもあるが。
施設でも、食事の後、戻ろうとして他人の部屋に間違って入っていくこともあるという。
病院で、精算中に眼を話したスキに、姿が見えなくなり、ハッとすることもあった。

翌日、8時半に、予約をしてあった昨日と同じ介護タクシーに来てもらい、予約なしの外来に。
どのくらい待つことになるか分からないとのことだったが、比較的待たずに診てもらえた。
若い、感じの良い整形外科医。
画像には写っていないが、横断する形で骨折している可能性が高い、と。
先の大腿骨骨折時も、高齢のリスクを考え、本人の希望もあり、手術せず、保存治療としているため、太もも横に
骨が突出した状態。
今回も当然、手術は行わず、痛みがあることは仕方なく、自然に、ということに。

特養の看護師さんから依頼されていた、ベッドからの移乗やトイレへに移動はこれまで通り可能か、入浴は可能か、などの質問にも回答してもらい、義母本人にも、「痛いのは我慢するしかない」と説明。
すぐに忘れてしまうだろうけれど、「痛い」と声には出すけれど、我慢強いほうなので、それがまた日常、常態にな
るだろう。

いずれにしても、コロナ禍で、私たちが住む岡崎市でも、つい先日の例も含め、4介護施設でのクラスターが発生
している。
施設の職員さんも、神経をすり減らしての毎日と想像に堅くない。
こうして、一所懸命対応して頂けるだけでもありがたいものだと、つくづく思う。
今日も、私がだれだかわからない時間があったようだ。
まあ、脚の不自由さを除けば、歯も全部あるし、内臓も丈夫だし、今年10月の100歳の誕生日は迎えられそうだ。

ところで、昨日介護タクシーに乗った時に、運転している方が事業主で、平成28年に事業免許を得て開業していることが分かる表示があった。
病院に付いた折にもらった名刺には「介護福祉士」とあった。

介護福祉士の資格を持つ人が、介護タクシー事業を?
帰りの車の中での会話だが、翌日の予約を、同様9時半に特養に、と依頼すると、「予約なしの診察で、8時から11
時までに受付を、というやつですね」と。
会話では、暗に、「早く来た方がいいですよ」的に聞こえた。
こちらは、朝早いといつもの生活ペースとずれるのでそうしたのが、間違っているかと少しばかり悩み、1時間早めて、8時半の予約にしてもらった。
戻った特養の入り口で、支払いの精算をしていると、施設の看護師さんが、その介護タクシー運転手さんに見覚えがあるらしく、「○○さん?」と。
知り合い同士らしく、介護タクシードライバーさんも、過去施設介護の仕事をしていて、介護タクシー事業に転換したのかと、その場で推察。
そして今日、病院への行きと帰りのの車の中で、種々会話。
介護タクシー事業は、0から始めた、と。
不思議に思い、昨日の看護師さんとのやり取りを引き合いに出して、介護施設での経験がおありかどうか尋ねると、8年前から、早朝6時から8時の2時間、老人施設で起床時の移乗等の仕事をパートタイムで始め、今もやっていると。
2足のわらじかと思うと、まだ先があって、元々は石屋さんで、それも今も細々とやっていると。
その前が、最大手T社系の大手メーカーD社に10年間勤め、28年前に、親父さんの後を受け継いで石屋産さんに。
先代が移転した石工団地内に工場があり、その先代=親父さん84歳は今も元気で、毎日工場の事務所で時間を過ごしているという。
なんとも微笑ましい情景が思い浮かぶ。
ということで、やはり、介護タクシー事業は、0から始めたと言ってよいわけだ。
介護福祉士の資格もとっているし、石工さんの技能も持っている。
その資格を持つ介護タクシーをやっている人も、石屋さん・石工さんもいないだろう、という話になって、いやー、いろいろな人がいるもんだと。
明後日には59歳になるということだったので、私とは一回り違いの同じ寅年ということになる。
聞けば奥さんもヘルパー資格(今の介護初任者研修)を持っているけれど、勤務経験はなし。
奥さんに、2種運転免許を取れば介護タクシーを夫婦でやれるのに、と言うけれど、絶対イヤだと聞いてくれなと。
夫婦で介護タクシーをうまくやっている例が多いということで。
まあ、これも微笑ましく聞くことができるお話。

もう一つ余談。
コロナ感染症対策を社内に施すよう、県か国かどちらかの要請があり、きちんと手作りで、運転席と車椅子等同乗者席の間は、ビニール状のシートで分けられていました。
そのためにかかった費用の上限が8千円程度とされており、ほぼ同額で収まり、県に申請したら、材料の残り分は認められないだの、なんのカノと難くせ(これは私の表現です)をつけられ、結局半分の4千円くらいしか認められなかったとのこと。
本当に役所、役人のやること、なすこと、関係者外とはいえ、腹が立ちます。
それから、介護タクシー車輌ですが、以外に安く、専用仕様のものがあり、一般車両の大きさのものならば、300数十万円で購入できるそうです。
大型適用になるともちろん、高くなりますが。
岡崎市は一般車両利用事業者が多く、他の市ではもっぱら大型仕様を使っているとか、傾向があるという話も聞きました。
ついでに、介護タクシー料金、1回の往復で、8,400円。
2日間で、16,800円かかりました。

完全な車いす生活になっての義母の特養生活。
自分から動くことがなくなり、食事も飲料も次第に減っていきました。
並行して、認知度も低下し、自分の体を思うようにコントロールできなくなり、今回のような体の変化も来します。
サ高住生活以来、何度も外来診療に付き添ってきましたが、そろそろ先のことを考える必要があるのかな、と思わ
せられたこの時の外来受診要請でした。
サ高住・特養とも、外来受診時の送迎担当が私の役割と当初から想定していたため、すんなり受け入れることがで
きましたが、こうした対応が簡単に、柔軟にできる家族や世帯は、少ないのではと思います。
介護保険制度では、こうした課題への対応は想定していないでしょうし、むしろ医療領域のこととして、触れたく
ない問題というべきかもしれません。
しかし、現実に介護を担う家族にとっては、非常に大きな問題です。



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2024年5月1日に開設した、当サイト「みんなの介護・終活・おひとり様.com」https://kaigoshukatsu.com
サイト管理者自身の介護体験が、当サイトの開設運営の最大の要因です。
開設時から開始した15回にわたる『93歳義母介護体験記<第1フェーズ:サービス付き高齢者住宅介護期>
シリーズ』を先ず終えています。
現在は、<第2フェーズ>としての、『98歳義母介護体験記:特別養護老人ホーム(特養)介護期』。
93歳でサ高住に入所し、5年余り生活していた義母が98歳の時に同施設内で再度骨折。
手術を回避して保存治療を選択し要介護4になったことで特養に転所。
その事情と生活模様を廃止したサイトに11回にわたり連載・投稿。
その記事をほぼ原文通りに再掲載し、回想記として現在考えたことを書き加えています。
なお、掲載記事の内容は、当時2020、21年時点の介護保険制度に基づいているため、現在の介護保険制度
と矛盾する部分もあります。
ご了承ください。

『98歳義母介護体験記<第2フェーズ:特別養護老人ホーム(特養)介護期>シリーズ記事リスト』
  1.98歳義母が、サ高住から特養に移りました(2020/5/2)
  2.要介護1から要介護4への区分変更で5年間生活のサ高住退所へ(2020/7/6)
  3.特養入所決定後のサ高住生活状況と退所まで(2020/7/7)
  4.93歳から98歳まで、義母の5年間のサ高住生活総括 (2020/7/8)
  5.新型コロナウィルス感染症危機始まり時期の異常事態での98歳義母の特養入所決定から入所まで (2020/7/9)
  6.コロナ禍、緊急事態宣言下における面会禁止など特養入所3ヶ月の生活状況 (2020/7/10)
  7.義母2020年入居特養と2015年入所サ高住との必要費用比較 (2020/7/11)
  8.サ高住・特養利用体験から考える望ましい介護システム (2020/7/12)
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 11.特養入所の100歳の義母、介護タクシーで整形外科外来受診(2022/1/25)


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