『98歳義母介護体験記:特別養護老人ホーム(特養)介護期』シリーズを始めます

介護体験

2024年5月1日に開設した、当サイト「みんなの介護・終活・おひとり様」https://kaigoshukatsu.com
サイト管理者自身の介護体験が、当サイトの開設の理由の一つです。
開設時から開始した14回にわたる2015年からの体験を振り返る
『93歳義母介護体験記<第1フェーズ:サービス付き高齢者住宅介護期>シリーズ』を先ず終えました。
これに続いて、<第2フェーズ>として、『98歳義母介護体験記:特別養護老人ホーム(特養)介護期』
を今回から始めます。
93歳でサ高住に入所し、5年余り生活していた義母が2020年98歳の時に同施設内で再度骨折。
高齢と本人の希望により手術を回避して保存治療を選択したことで、要介護4の認定を受けることに。
そのために特養へ替わった事情とその生活模様を別サイトに連載。
一旦、2020年7月で8回の連載を終えたのですが、2021、2022年の3回の投稿も第2フェーズに加えて、
以下の全11回のシリーズとしています。
その別サイトの廃止に伴い、そのすべての記事をほぼ原文通りに再掲載し、回想記として現在思うこ
とを書き加えていきます。
またこの連載記事内では、介護体験を通じて種々感じた介護保険制度や介護システムの在り方につい
ての意見や提案などもまじえています。
なお、掲載記事の内容は、当時2020年から2022年までの時点での介護保険制度に基づいているため、
現在の介護保険制度と異なる部分もあります。
ご了承ください。

『98歳義母介護体験記<第2フェーズ:特別養護老人ホーム(特養)介護期>シリーズ記事リスト』
  1.98歳義母が、サ高住から特養に移りました(2020/5/2)
  2.要介護1から要介護4への区分変更で5年間生活のサ高住退所へ(2020/7/6)
  3.特養入所決定後のサ高住生活状況と退所まで(2020/7/7)
  4.5年間のサ高住生活総括(2020/7/8)
  5.特養入所決定から入所まで(2020/7/9)
  6.コロナ禍における特養入所生活3カ月の状況(2020/7/10)
  7.特養・サ高住必要費用比較(2020/7/11)
  8.サ高住・特養利用体験から考える介護システム(2020/7/12)
  9.特養入所の99歳義母、月末救急外来、月初予約なし再診外来へ(2021/2/1)
 10.義母、特養で100歳の誕生日を祝って頂く(2021/10/15)
 11.特養入所の100歳の義母、介護タクシーで整形外科外来受診(2022/1/25)

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6年前2014年の12月に左脚大腿骨骨折で手術し、要介護1の認定を受けた、当時93歳の義母が、
翌年2015年3月下旬に、サービス付き高齢者住宅に入所。
それから5年後の昨年2019年12月に、再度左脚大腿骨を骨折。
手術のリスクを考え、回避して、保存状態での完全に車椅子による日常生活に。
そのため、ほぼ全介助が必要な<要介護4>に認定区分変更。

それを受けて、2つの特別養護老人ホーム経営事業グループに、特養への入所申し込みを提出。
どちらも1~2年の待機が必要とされたのですが、運良く、そのうちの1つのグループが、今年
2020年5月に新しい特養を開所する予定があり、まだ申し込みを受付中ということで、2月に義
母との面談を実施。
その面談時に、ほぼ入所が可能との内諾も得られ、昨日5月1日開所日に1番乗りで入所が実現
しています。
最初のサ高住入所に至った経緯や、入所までの経験、そして5年間のサ高住の生活。
そして、要介護4になってから、特養入所申し込みから契約、そして入所まで。
一般的なデイサービスや訪問介護の利用経験はありませんが、介護保険制度の利用について、そ
れなりの経験をしてきた者として、介護保険制度改革をテーマに、当ブログでも取り組んでいく
予定です。

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2001年に安楽死を世界で初めて合法化した国オランダでは、毎年6千人以上が安楽死している
といいます。
同国で先月、判断能力を失い、病状の改善の見込みがない重度の認知症(アルツハイマー病)
患者の、事前に安楽死の意思を明示する書面があるなどの条件を満たせば、関わった医師の責
任は問われない旨の判決が出されました。
安楽死が許容される対象の幅が認知症にも広げられる判断になったわけです。

なぜオランダの例を持ち出したのか。
今回の特養入所にあたって、施設サイドから、終末期における「延命治療や胃瘻(いろう)の
希望の有無」の意思表示を求められ、「希望しない」旨を誓約しました。
義母の長女である私の妻の意思でもあり、身元保証人となっている私の意思でもあります。

私の方は、生とはなにか、死をどう考えるかについての確固たる考えに基づくものであり、当然
自分の死について、事前に家族に伝えるべき内容・方法と同一とする故でもあります。
介護問題そして介護制度を考えることは、人の人生の終え方、終末期のあり方も制度化・システ
ム化することも含むと考えています。
住み慣れた地域や家で、家族に看取られて最期を迎えることが理想なのか。
そこにも踏み込む必要があることを確認しておきたいと思います。

さまざまな問題を抱え、それらがますます重く、大きくなっていく介護問題。
現在の介護保険制度が導入されて、今年2020年で20年。
5年前の義母の要介護度区分認定申請から、介護保険利用家族として種々考え、感じることになり
ました。

少子高齢化は当然、20年以上前から予想され、また想定内のこととして進行してきました。
そのプロセスにおいて、介護保険制度が問題となるであろうことも想定されていたはず。
にもかかわらず、否、だからこそ、制度は初めに比べ、どんどん悪くなってきています。
その大きな要因は、現制度が、「住み慣れた家で介護を受ける」ことが自然であり、介護を受ける
人の自然な気持ちであるという、口当たりの良い、耳障りの良いスローガンを掲げた「在宅介護
主義」を絶対化したことにその要因の一つです。
それは、介護財政に負担がかからないようにするための方便でもあったのです。
しかし、現実には、介護給付の膨大な増加、介護士不足、介護業界の低生産性・低い労働条件・
労働環境、介護離職、老老介護、介護殺人などの社会問題を引き起こしてきています。
その改善・解消の目処も立っていません。

介護財政問題は、医療財政の莫大な赤字と並んで、あるいは年金財政の負担とも合わせて、現役
世代の社会保険料負担の過重な拡大に繋がっています。
安倍内閣が考える全世代型社会保障制度の改善ポイントは、高齢者負担の増加と現役世代の負担
の抑制、という急場しのぎで、事の本質から外れる、単なる一時しのぎの法改正にとどまる内容
なのです。

(以上2020年7月6日、記)

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私の義母介護体験記が、第2フェーズに入ります。
2014年12月に義母の骨折を原因として始まった介護生活。
翌2015年のサ高住入所とその後の5年間の施設生活と介護生活において、介護保険制度や介護士不足、
介護離職等さまざまな介護問題を見聞きし、考えること、考えさせられることが多くありました。
その状況は、義母が一昨年亡くなった後も、大きく変わることはなく、私たち夫婦自身の介護問題に
連なってきていると思います。
体験記は、お読みいただける方々皆さんの介護に対する備えに多少なりとも参考になるのではという
思いからでもありますが、自分自身の備えを日常でも意識しておくべきという戒めの意味も持ってい
ます。
当シリーズ開始の記事に介護問題についての問題提起が既に含まれています。
こうした諸問題は、現状でも引き続きありますし、また新しい局面を迎えているものもあります。
回想記は、第3フェーズまで予定していますが、時々は現状の介護諸問題を別途取り上げ、提案なども
していきたいと考えています。

次回は、「要介護1から要介護4への区分変更で5年間生活のサ高住退所へ」というテーマで、今回
冒頭の施設変更事情をもう少し詳しく回想します。

『93歳義母介護体験記<第1フェーズ:サービス付き高齢者住宅介護期>シリーズ記事リスト』
 1.義母の骨折・入院から始まった老々介護を考える日々(2015/2/21)
 2.地域包括ケア、地域連携診療という仕組みを知る(2015/2/22)
 3.リハビリテーション病院への転院により回復期医療へ(2015/2/25)
 4.自宅介護準備と介護施設検討の矛盾を抱えて(2015/3/1)
 5.介護施設検索から資料取り寄せと見学体験(2015/3/5)
 6.介護保険被保険者になり、老老介護有資格者に!?(2015/3/7)
 7.要介護認定と老人介護被保険者証の交付を受ける(2015/3/8)
 8.介護拒絶する要介護家族と介護者のすれ違い(2015/3/12)
 9.介護支援専門員さんのサポートと介護施設入居日決定(2015/3/13)
10.介護施設入所説得とサービス付き高齢者住宅入居準備(2015/3/21)
11.サービス付き高齢者住宅入居と入居時会議、そして入居後の心配事(2015/3/25)
12.介護施設での居宅サービス計画と介護サービス内容、費用(2015/3/26)
13.訪問介護計画変更、通所拒否あり。義母、サ高住入居1ヶ月介護生活メモ(2015/4/24)
14.ケアマネジャー退職・交替とサ高住経営の変化。そして大晦日・新年へ(2015/12/31)

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